「世界で最も“危険な”仕事」とは? 1ヶ月で3,773のメディアがつながり承認したSNSアカウント

Case: The Most Frightening Job in the World

世界には真実と自由のため、命の危険と隣り合わせという状況下で取材活動を行うジャーナリストたちがいます。その存在を人々に広く知ってもらうため、言論・報道の自由の擁護などを主な目的として活動する、非政府組織・Reporters Without Borders(国境なき記者団)が実施したデジタル施策をご紹介します。

同団体が活用したのが、世界最大級のビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス・LinkedIn。ここに3人の架空のジャーナリストのアカウントを作成し、その経歴欄に壮絶な体験を記載しました。

以下が公開された3人のプロフィール。

・Martin Balewa
ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」を調査。南スーダンにおける紛争をレポート。イエメン内戦を取材中に拉致・監禁される。

・Nathalia Rodoriguez
メキシコ特派員、麻薬と汚職問題を専門とする。麻薬密売人による取引現場に潜入捜査を試みた際に重傷を負う。

・Julien Abadi
主にシリアで活動。イスラム国の捕虜となる。パキスタンやイランで武装集団による襲撃に遭う。

この3人のアカウントから世界中の名だたるメディアアカウントに『つながりリクエスト』を送信したところ、わずか30日間で3,773メディアがこれを承認。

そしてその後まもなく、これらの偽アカウントが実は国境なき記者団によるものだったこと、そしてジャーナリスト達をサポートする目的で本取り組みが実施されたことが明かされると、各種メディア企業のアカウントを中心に本取り組みの目的やメッセージが拡散され、勇敢なジャーナリストたちと、彼らが追い求める“報道の自由を守ろう”という機運が高まったといいます。

今回作られたアカウントは架空でも、そこに記されたのは実在の記者たちが実際に体験した出来事。普段何気なく見ているニュースにも、世界に真実を伝えるため、身の危険を冒しながら取材活動を続けるジャーナリストの存在があることを改めて思い出させてくれる取組みでした。

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