シカゴの自然史博物館、市民が展示品の音声ガイドを担当するプロジェクトをローンチ

Case: Specimens With Something To Say

アメリカのイリノイ州・シカゴにあるフィールド自然史博物館が、地元の人の協力を得て、来館者数アップのためのユニークな取り組みを行いました。

『Specimens With Something To Say』と名付けられたプロジェクトは、市内に音声を録音するための移動式ブースを設置し、博物館に展示されている標本や展示品の説明を街の人々の声で録音してもらうという試み。

参加する人はブースの中に入り、地球の長い歴史の中で進化してきた動植物や鉱物などについて、用意された100種類以上の資料の中からひとつを選んで説明文を読み上げます。そして集まった音声の中から、選ばれたものが実際に博物館で使用されるといいます。

博物館で紹介されている数々の展示品は、もちろんそれ自体が貴重なものですが、その背景にある歴史や謎を紐解くことによって、まだ解明されていない部分が明らかになるなど、自然科学的にも非常に価値があります。

例えば2009年にニューヨークで起こった、USエアウェイズ1549便不時着水事故。後に“ハドソン川の奇跡”と呼ばれたこの事故は、NYを離陸した飛行機のエンジン部分に渡り鳥であるカナダガンが飛び込んだことが原因でした。

この件においてフィールド自然史博物館は、館内の資料と飛行機にぶつかったガンの違いを調査し、カナダガンの移動経路を突き止めることで、同様の事故が起こらないようFBIに協力したそうです。

人々の興味を引くようなエピソードを公開し、さらに地元の人たちを巻き込むことで、自分たちの街の博物館に愛着を持ってもらうというユニークなプロジェクト。

このポップアップブースは、夏の間シカゴ市内のあちらこちらに出没予定だそうで、場所の詳細はフィールド自然史博物館のFacebookページに掲載されています。

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