リオデジャネイロの空港名をDV被害者の名前に。通報件数を4倍にしたDV撲滅啓発施策

Case: RIOgaleão Changing Destinies

2006年の国際女性デーにブラジルで制定された、家庭内暴力に対する厳罰法「マリア・ダ・ペーニャ法」。「マリア・ダ・ペーニャ」とは、もともと家庭内暴力の被害者で、のちに暴力反対運動を立ち上げた女性の名前です。

本法律が施行されて10年。ブラジルではいまだに1時間に500人を超える女性たちが性的暴力に苦しんでいます。この状況を改善すべく立ち上がったのが、リオデジャネイロの国際空港「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」。

3月8日の国際女性デーに合わせ、『Changing Destinies(運命を変えよう)』と題したキャンペーンを実施。法律の名にちなみ、空港名を「マリア・ダ・ペーニャ空港」に変更しました。

キャンペーンでは、空港内のあらゆる場所に新しい空港名が書かれたポスターを設置。

様々なアナウンスにも、新しい空港名が使われています。

更にパイロットには全員女性を起用。

そしてキャンペーンは空港内だけにとどまりません。同社は、SNSのアカウント名も「マリア・ダ・ペーニャ空港」に変更。

この徹底した取り組みに感銘を受けたTwitter Brazilは、その内容をシェア。

テレビを始め、様々なメディアがキャンペーンについて取り上げた他、大勢の著名人らが自身のSNSアカウント名を「マリア・ダ・ペーニャ」に変え、キャンペーンの拡散に協力しました。

空港内だけでも50万人に影響を及ぼした本企画は、インフルエンサーから絶大な支持を受けたこともあり、Twitterでは約1,010万人にリーチ。250万ドル(約2億7,800万円)相当のメディア露出を果たし、通報件数を以前の4倍に増やすことに成功しました。

「空港の名前を変える」というチャレンジングな取組みを通じて脅威的なPR効果を生んだDV問題啓発施策でした。

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