1年間の募金額をわずか2週間で達成!“絶滅の危機にあるトラ”と“苗字”をリンクさせたWWFの募金活動

Case: WWF – Endangered families save an endangered family.

世界的な環境保護団体・WWFのベルギー支部が、絶滅の危機に瀕しているトラへの基金を募るために実施したユニークなアイディアをご紹介します。

WWFによると、現在世界で確認されている野生のトラはわずか3,200頭ほどだといいます。今すぐ何か行動に移さなければたちまち絶滅してしまうトラを救うべく募金活動を実施するにあたって、野生のトラとは無縁とも言えるベルギーの人たちに、「いかにトラを身近に感じてもらうか?」という課題がありました。

同団体は、『ベルギー人の約30%が持つ苗字が絶滅の危機にある』という事実に着目し、“絶滅の危機にあるトラ”と“絶滅の危機にあるベルギー姓(苗字)”をリンクした募金活動を実施し、大きな成功をおさめました。

WWFが構築したのは、下記のようなキャンペーン用ウェブサイト。該当欄に苗字を入力すると、その苗字を持つ人が現在何人いるのか即座に判定してくれるものです。

珍しい苗字の人は、「同じ苗字を持つ人はベルギーに5人しかいない」との判定が出ますが、よくある苗字を持つ人は、「同じ苗字の人は5000人います」と言った結果が出ます。

苗字がレアであれば“その苗字は絶滅の危機に瀕している”と言え、同じように絶滅の危機に瀕しているトラにも支援の手を呼びかけるべく、判定結果を表示する画面から、トラへの寄付を募るページへと遷移し、募金を呼びかけたのです。

自分と同じ苗字を持つ人が何人いるのか、自分の苗字はレアなのか、判定してくれる本取り組みは瞬く間に関心を集め、募金活動開始後わずか1時間でFacebookとTwitterのトレンドとなった他、テレビやラジオでも取り上げられました。

結果、開始後2週間で集まった募金額は、WWFが1年間で集める募金額に相当したといい、大きな成功をおさめることができました。

ベルギーの総人口の約3分の1にリーチすることができ、トラの絶滅問題を市民に『自分事』として捉えさせた見事なドネーションプログラムでした。

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