メッシも注目！アルゼンチン国民に塩分取り過ぎ注意を喚起する、『パステルカラーの食卓塩』

Case: The salt you can see

皆さんは日々の食事の中で、塩分の取り過ぎに気を付けていますか？

世界保健機関（WHO）では食塩摂取量の目標値を1日5gとしていますが、アルゼンチンではひとりあたり平均15gを摂取しているそうで、こうした習慣が高血圧をはじめとした様々な病気を引き起こすきっかけとなるケースが多いのだといいます。

医療に関する研究、教育、啓発活動などを行うアルゼンチンの医療財団・Fundacion Favaloroは、塩分過剰になりがちな国民の食生活を改善するため、ユニークなアイディアを考案しました。

そのアイディアというのがこちら、ピンク、緑、紫、水色に着色された、鮮やかな色合いの食卓塩です。

人々がレストランや家庭で食事をする際に、すでに調理の段階で塩を十分に使っているにも関わらず、さらに塩を振っていることに着目したFundacion Favaloro。卓上塩に色を付けることで『自分がどれだけ塩分をとっているか』をひと目で分かるようにしたのです。

確かに、白い食塩は振りかけたそばから食材の色に馴染んでしまうので、実際にどれ位使ったのか自分でもよく分からないもの。見えないから使ってしまうのであれば、よく見えるようにすればいいじゃないか！という、シンプルかつ明快な発想から生まれたのがこの色付き食塩というわけです。

ご覧の通り、その鮮やかな色はパスタにもステーキにもよく目立ちますね。

Fundacion Favaloroは、毎年3月に世界各地で開催される『世界減塩週間』の期間中、このカラー食塩をレストランに置いたり、スーパーや街かどで無料配布するなどして、人々に塩分の取り過ぎに対する注意を喚起しました。

するとこの取り組みはテレビやラジオで取り上げられ、SNSでも拡散。なんとアルゼンチンの国民的スターであり、世界一のサッカー選手と言われるメッシ選手までもがコメントを寄せるなど、社会的に大きな注目を集めたのです。

『食塩＝白』という常識を打ち破ることで、人々の健康に対する意識を高めることに成功した、ユニークな啓発キャンペーンでした。

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