非合法移住者と“空き缶”でコミュニケートすることに成功!デンマーク赤十字による「缶ペーン」

Case: CANpaign

非合法の移住労働者は、身分を明らかにすると強制送還される恐れがあるため、正規の医療機関を受診することができないという現実があります。そんな窮状を緩和するために、デンマーク赤十字は、こうした労働者のために診療所を開設し、その存在をユニークな方法で伝えました。

新聞やテレビといったメディアとは無縁であり、インターネットにもアクセスすることがなく、ましてや話す言語も異なる非合法移住者に対して診療所の開設を伝えるにはどのようにしたらよいか?

赤十字は、多くの非合法移住者に唯一共通するという“リサイクルできる空き缶を集める”という行為に着目し、空き缶を通して診療所の開設を訴求するというアイディアを実行しました。

The Red Cross CANpaign from Konstellation on Vimeo.

赤十字によると、多くの非合法移住者は、日々空き缶が捨てられているゴミ箱をチェックしたり、捨てられた空き缶を拾い、その中からリサイクルできる空き缶を選び集めて換金することで生計を立てているといいます。多くのターゲットが手に取り、チェックする空き缶に、診療所開設のメッセージを添付しようというのが本試みです。

赤十字が制作したのは、下記のようなステッカー。複数の言語で『無料かつ匿名で受診できる診療所が開設されました』とのメッセージを記載し、『詳細情報は1919番までテキストを送信してください』と呼びかけています。

このステッカーを何百もの空き缶に添付し、コペンハーゲン市内のゴミ箱に投入し、非合法移住者が手にするのを期待したのです。

診療所開設のメッセージは、赤十字の思惑通り、多くの非合法移住者の目に留まることに成功しました。

関係当局の目を逃れ、各種メディアからも隔離された生活を送っている人々に対して、唯一のコミュニケーションの手段とも言える“空き缶”を通してメッセージを伝えることに成功した、キャンペーンならぬ“缶”ペーンでした。

動画はコチラ

The Red Cross CANpaign from Konstellation on Vimeo.

参考サイト

Creative Criminals
http://creativecriminals.com/red-cross/canpaign

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