“Have a Break”を様々な角度から訴求する、世界の秀逸なキットカット広告14選

Case:Have a Break

世界で最も有名なチョコレート菓子、キットカット。ブランドキャッチコピーである「Have a Break」のフレーズはあまりにも有名ですね。

今回は世界中で展開されているキットカットのユニークな広告を集めました。少しのあいだお仕事の手を休め、一息入れながらお読みいただければと思います。

1.【カンヌ受賞】キットカット、何もかも放り出して“ちょっと一休み”したくなる広告

[国名:メキシコ]

キットカットといえば、“チョコレートをポキっと折る”表現を広告クリエイティブによく使用していますが、こちらは『Have a Break』というブランドメッセージを強く訴求することを目的として、チョコレートの代わりに会議中の様子や携帯電話をキットカットの実物に見立てて表現しています。

「会議や携帯電話から離れて、ちょっと一息入れようよ!」というクリエイティブ。この作品は2012年カンヌ広告祭 アウトドア部門にてゴールドを受賞しています。

2.『ソーシャル疲れ』からあなたを救う、キットカットのPRアプリ

[国名:シンガポール]

SNS利用者の間で広まってきている「ソーシャル疲れ」を軽減させるユニークなアプリ『Social Break』。このアプリを使うと、ユーザーがFacebookやTwitter、LinkedInへの投稿を休んでいる間にも、アプリが自動的にメッセージ等をランダムで投稿してくれるという仕掛けになっています。

「投稿」の頻度を各ソーシャルメディアで自由にセレクトできるだけでなく、例えばFacebookの場合、友達が写真などをアップしたら自動で「いいね!」してくれたり、Twitterでは「自動でリプライ」できるように設定することも可能。

メディアでも注目されている「ソーシャル疲れ」という世の中のトレンドと、ブランドメッセージである『Have a break』を巧みに連動させた企画です。

3.そんなに働いてばかりいないで、休憩しよう。こんな風にね。

イギリスのロンドンで制作されたプリント広告。“Have a break, have a kitkat”というお馴染みのタグラインを使って制作されたクリエイティブです。ピエロ篇と電話篇の2パターンがあり、それぞれ、使われていないピエロの人形の山と電話機の山があるビジュアルです。

使われていないことを、休憩(break)していることと捉え、「ちょっと休もうよ」ということをメッセージしています。

4.これで安心!“ウェブカメラ・ハッキング”から守ってくれる特注カバー

[国名:オランダ]

2014年1月15日オランダ当局は、“ウェブカメラをハッキングして利用者を覗く”ことでコンピュータ利用者のプライバシーを侵害しているサイバー・アタックから身を守るよう、オランダ全国に“ウェブカメラにカバーをかけるよう”警報を発令しました。

これに合わせてキットカットが制作したのが「Webcam Blocker」という名のウェブカメラ用カバー。取り付け方は、ウェブサイト上の“Webcam Blocker”をプリントアウトし、切り取り、自分のパソコンのウェブカメラをカバーするように貼り付けるだけ。これなら誰からもプライバシーを覗かれる心配はありません。

サイバーアタックをかけている人にも、“Have a break”という茶目っ気がGood!。キットカットのお馴染みのロゴが、あなたのプライバシーを守ってくれるというユーモアたっぷりの施策でした。

5.ロンドンの地下鉄で掲載した『BREAK時計』

[国名:UK]

キットカットがロンドン市内で行った屋外キャンペーン。

ロンドンの地下鉄や街中のデジタルディスプレイに『BREAK』(ひとやすみ)を勧めてくれるキットカットのオリジナル クロック「KLOCK」を掲載しました。全く時計の役割は成されていませんが、思わず見入ってしまいそうですね。

6.キットカットのアンビエント広告、椅子型ポスター

[国名:ニュージーランド]

キットカットの木でできた広告ポスター(木でできたポスターからパーツを取り外し簡単に椅子を組み立てることができるというもの)。

この広告ポスターは、意図的に公園や広場の入り口付近に設置されました。『椅子に座ってちょっとくつろげば!』というメッセージを発信しているようです。

7.キットカット・ホワイト、“残り50個のチョコ”を使ったアートワーク


[国名:オーストラリア]

キットカットの限定版ホワイトチョコシリーズ・Kit Kat Whiteによるユニークな試み。

大人気だったKit Kat Whiteの在庫が残りわずかとなったタイミングで、『Kit Kat Whiteの素晴らしさを永遠に形に残す』ことをコンセプトに、ラスト50個を食べるのではなく、それを使って“イラスト”を制作するという企画。

新進気鋭のイラストレーターMike Watt氏が一つ一つホワイトチョコの部分を削り、溶かし、それを絵具のように使ってイラストを描いていく動画がYouTubeで公開されています。完成した作品は、どれも味のあるイラストに仕上がっています。

8.AndroidとKitKatのコラボ、指定時刻にブレイクした人に「Nexus 7」をプレゼント


[国名:オランダ]

次期「Android 4.4」の名称が「Kitkat」になることを受け、「Android OS」とキットカットのコラボキャンペーンがオランダで実施されました。キャンペーン名は「Have a Seat」。

アムステルダム市内に突如設置された真っ赤な看板には突起部があり、どうやら椅子になっている様子。この看板には『2013年9月14日13時7分など指定時刻にこの椅子で休憩していた人に、新Nexus 7タブレットをプレゼントします』と明示されています。

悪天候の中座り続ける人、人通りの多い街中で座り続ける人、挑戦者の姿は多くの人の注目を集めました。

そして、指定時刻。赤いバイクに乗った配達員が現れ、約束通り新Nexus 7タブレットがプレゼントされました。挑戦者もそれを見守った人も歓声をあげたといいます。

“Have a break. Have a KitKat.”ならぬ、“Have a seat. Have a Tablet.”という趣旨のアウトドアキャンペーン。積み上げてきた“ブランド資産”を有効に活用した施策ですね。

9.「この顔をできるのは、あの人だけ。」広く知られたイメージを巧みに使った広告

[国名:タイ]

タイのバンコクで制作されたプリント広告。「こんな時にはキットカットで休憩してね」というメッセージを伝えるべく制作されたクリエイティブです。

ぼさぼさの頭。伸びきったひげ。疲れてもうどうしようもなくなってしまった人が、舌を出し、まるで有名なアインシュタインのポートレイトのような顔になってしまっているビジュアル。

コピーは以下の通り。

There’s only one who can pull this look off. Have a break, have a Kit Kat.
(こんな顔を上手くできるのは1人しかいません。キットカットで休憩しましょう。)

確かにアインシュタインだからはまる表情。普通の人がやると、ふざけているか、疲れて頭がおかしくなってしまったようにしか見えませんね。誰もが知っているアイコンを巧みに使って表現した目をひくプリント広告でした。

10.クリスマスまでカウントダウンできる“アドベントカレンダー”

[国名:ドイツ]

キットカットが開発した、クリスマスシーズンを楽しむ人ではなく、“クリスマス商戦を繰り広げている人”たちにちょっと一休みしてもらうための商品。その名も、“24 Breaks before Christmas”。

クリスマス商戦を仕掛けている側にとっては、連日怒涛の業務に追われるクリスマス。疲れもたくさんたまっていることでしょう。そんな人々に“ちょっと一休み”を提供しようと開発されたのが、このカレンダーアイテムです。

通常は4本のチョコレートが1袋に入っているキットカットですが、今回開発されたのは24本入。12月1日からクリスマスの日まで毎日1つずつ小窓を開けて中に入っている小さなお菓子を食べる『アドベントカレンダー』のように、クリスマス当日まで1本ずつ食べてカウントダウンできるようになっています。

11.キットカット、“枕”にもなる勉強ノートを開発

[国名:ブラジル]

キットカットによる斬新なプロモーショングッズ。同社のロゴが大きく描かれたリングノートですが、奇妙なことに右下に“膨らませ口”がついていて、さらに横から見ると、表のカバーが膨らんでいるのがわかります。

こちらのグッズは主に学生向けに開発されたもので、勉強で疲れた時に自分で膨らませてもらって、“枕の代わり”にしてもらうという仕掛けでした。

“ちょっと一休みしようよ!”というキャッチコピーを体現する、素敵なプロモーショングッズですね。

12.「Wi-Fiが繋がらないスポット」をあえてPRするキットカットの意表をついた広告

[国名:オランダ]

Wi-Fiを利用して、外出先でも頻繁にネットに接続している現代人に向けて、キットカットがオランダで仕掛けたアンビエント広告が斬新です。

街中にキットカットの赤と白のブランドカラーで“Free No-Wi-Fi Zone”と上部に掲示した円形のベンチを制作。このベンチでオンラインのことは忘れて友達と会話をしたり、紙の本を読んだり、キットカットを食べて、一息つきませんか!とコミュニケートしています。

「この店Wi-Fi使えます」というステッカーはよく目にしますが、「Wi-Fiが繋がらないスポット」を大々的に発信して、『一息つきたい時に食べたくなるキットカット』というブランドイメージと結びつける発想がユニークです。

13.ベンチの木を商品そのものに見立てる広告

[国名:UK]

イギリス・ロンドン市内に設置された、ベンチの木をキットカットに見立てる広告です。

14.「キリストはキットカットが大好き!」 キリストの顔を用いたバイラルキャンペーン


[国名:オランダ]

キットカットがオランダで仕掛けたバイラルキャンペーン。古今東西、世界各地においてイエス・キリストの姿形が、(偶然)何かに表出し、映し出されることがキリスト教信者にとっての関心事の一つであり、メディアに取り上げられて話題になることが多い点に着目して仕掛けられた施策です。

同社はキットカットを一口食べた断面図が「キリスト」の顔に見える写真2点を、イースターの前日にオランダの2大ニュースサイトの編集者に対して、「Jesus appearance(キリスト出現)」というタイトルで、「キットカットを一口食べてその断面図を見ると、偶然キリストの顔が現れ、非常に驚いたこと」を綴った内容のメールを送信しました。ポイントとしては、商品の宣伝/プロモーションの要素を感じさせないことに重きが置かれたメールの文面になっていたようです。

始めにメールを送信したオランダ最大のニュースサイトの一つがこの話題を取り上げた結果、多くのWEBメディアがこぞってそのニュースを引用したり、追加の情報を盛り込みながら、たった4日間でニュースサイトやブログなど合わせて150,000サイト以上でこの話題が取り上げられたといいます。

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