どれもこれも発想が斬新すぎる! 世界の一風変わったプロモカレンダー12選
Case:Unique examples of the use of calendars
カレンダーといえば日にちや曜日を確認するもの。毎日使うからこそ、実用性が大事ですよね。しかし今回はそんな固定観念から少し(いえ、大いに)離れ、企業や団体がPR用に制作した斬新すぎるカレンダーをご紹介。
ユニークで遊び心溢れるものから、面白いけれどものすごーく使い勝手の悪そうな代物まで、驚きの12事例をお届けします!
1.リサイクル意識を啓発する『28年前のカレンダー』
[国名:イタリア/企業名:Legambiente]
イタリアの環境保護団体「Legambiente」が設立30周年を記念し、市民のリサイクルに対する関心を更に喚起することを狙った企画。クリスマスの時期と重なるため、クリスマスギフトにかける市民の無駄遣いを減らすことを意図したものです。
28年毎に月日と曜日が合致することに着目した同団体は、28年前(1982年)のカレンダーを大量に集め、クリスマスギフトとして市民にプレゼントしました(28年前のカレンダーに「2010年版 Happy Old Year」とスタンプを押してあります。)。
これは通常使い捨てるものであるカレンダーでさえ、新しく再利用できるということを示しています。このカレンダーは、受け取った市民がちょっとした発見(28年毎に月日と曜日は合致)とともに、新たな年に「リサイクル」に対する責任を果たすことを意識する有効なきっかけとなりました。
2.ドイツ紅茶ブランドHalssen & Lyon、世界初の美味しい“茶葉カレンダー”を制作
[国名:ドイツ/企業名:Hälssen & Lyon]
ドイツの老舗紅茶ブランド「Halssen & Lyon」が、“紅茶葉”を使った世界初の“TEAカレンダー”を制作しました。通常紙で作られる壁掛けカレンダーの“日めくり部分”が、“紅茶葉”だけで出来ているという代物です。
日が変わり、日付を示す役割を終えた“日めくり部分”は、カレンダーから取り外してそのまま熱湯と一緒にカップに入れます。すると、どんどん溶けていき美味しい紅茶ができあがるという仕掛け。ティーバッグのような形ではなく、全て溶けきってしまう点がユニークです。
こちらのカレンダーは、同社のビジネスパートナーだけに送付されたそうで、世界中のお茶ビジネスに関わるプロから多くの反響があったそうです。“目”だけでなく、“味蕾”と“鼻腔”まで楽しませるという、予想外の切り口でブランド体験をさせた、秀逸なPRアイテムです。
3.WWF、1日1滴植物に水が注がれるカレンダー
[国名コロンビア/企業名:WWF]
世界的な環境保護団体「WWF」による創立50周年を記念するノベルティグッズ。テーマは「One daily drop living calendar」です。
1日1滴、植物に水が注がれるようにデザインされたオリジナルカレンダーで、『環境保全は私たち一人一人による、日々のほんの少しの活動の積み重ねが重要である』ということを啓発するためのグッズのようです。コンセプトだけでなく、デザインのクオリティも高い点が流石ですね。
4.ドイツの保険会社による“新年に禁煙を決意した人”に向けてのカレンダー
[国名:ドイツ/企業名:AOK Health Insurance]
ドイツの健康保険会社「AOK」が制作した“禁煙を決意した人”に向けてのカレンダー。喫煙者のニコチンで汚れた真っ黒な肺が、煙草をやめて月日が経つうちに徐々に綺麗な肺になっていくことを、カレンダーを通じて示唆するクリエイティブに仕上がっています。
1月のページの真っ黒な肺が12月にかけて少しずつ白くなっていくため、『2012年の新年から禁煙をはじめましょうね!』と促しているようです。
禁煙に取り組む人に対して、「自身の禁煙を続けている効果」を視覚化して示してあげる手法が秀逸。カレンダーを通じて毎月少しずつ自分の肺が綺麗になっていくのを見ると、さらに禁煙へのモチベーションが上がりそうですね。
5.省エネ電球の“長寿命”を訴求する巨大カレンダー
[国名:/企業名:Megaman Light Bulbs]
ヨーロッパ有数の省エネ電球を製造する企業「Megaman」が手掛けた、同社の省エネ電球が“いかにコスト効率がよく”、“長持ちするか”を訴求するためのプロモーション。2013年版のカレンダーを、恐らく世界で初めて“電球”を使って制作することにより、“長寿命”を実証するというコンセプトです。
縦1.6m、横2.3mの巨大なカレンダーには、“365個”もの電球のソケットがあります。合わせて縦には月、横には日と曜日が刻まれおり、毎日電球を隣のソケットに入れ替えていくことで成り立つという代物。
「1つの電球を毎日朝から晩まで24時間点灯させておいても、1年間365日は十分にもちますよ」ということを示唆するためのカレンダーに仕上がっています。
6.コロナビールを毎日飲みたい気分にさせてくれる“コースター型カレンダー”
[国名:シンガポール/企業名:Corona]
大手ビールブランド・コロナがシンガポールで制作した、1年間365日、365枚のコースターでできたユニークなカレンダー。
アジア圏で「Let the world wait-コロナと日常を忘れる瞬間」をブランドメッセージに据えている同社が、そのメッセージを強化し、多忙な日々の生活からリフレッシュするためにコロナビールを飲んでもらおうと訴求するためのプロモーショングッズです。
各コースターには、“その日思わず乾杯したくなる”ような、過去にその日に世界各地で起きた“素敵な記念事項”が描かれています。例えば、1月12日は“バットマンがテレビに初登場した日”だとか、8月6日は“アンディ・ウォーホールの誕生日”などが、その事柄を直感的に伝わる絵とともに描かれています。
「365日間毎日コロナビールを飲む理由を与えてくれる」素敵なコンセプトのコースター型カレンダーでした。
7.世界初!? 男性にブラジャーのホックを外す訓練をさせてくれる「ブラ・カレンダー」
[国名:ドイツ/企業名:FHM]
セクシーな女性のグラビアなどを掲載する国際的な男性誌FHMが、ドイツで制作した意表をついたカレンダー。こちらのカレンダーは、女性用ブラジャーのホックが3段並べられていて、男性が毎日ホックをいじって日にちや曜日を合わせるというコンセプト。名付けて“ブラ・カレンダー”。
ピンクと黒のブラジャーでは、当日の曜日を合わせられます。続いて青紫のブラジャーでは、日にち。そして赤のブラジャーで、月を設定します。つまり1日最低2回は、ホックを外す練習ができます。
ブラのホック部分でカレンダーを作るという、バカバカしくも最高に面白い試みを形にした“ブラ・カレンダー”はFHMの読者に配布され、非常に好評を博しただけでなく、各種メディアで取り上げられたり、ブログやFacebookなどのソーシャルメディアでも話題になったそうです。
8.バングラデッシュの眼科クリニックが製作した、オリジナリティ溢れるカレンダー
[国名:バングラデッシュ/企業名:Apollo Eye Clinic]
バングラデッシュの眼科クリニック「Apollo Eye Clinic」が製作した2013年版のプロモーション用カレンダー。眼科クリニックだけに視力検査表を模したカレンダーになっている点がポイントです。
「見えていた段が見えづらくなったら、是非当クリニックまでお越しください」という感じかと思います。なお、カレンダーのFridayにあたる日付が赤文字になっているのは、イスラム教圏では多くの場合、金曜日が礼拝の日で休日になるためです。
9.キットカット、クリスマスまでカウントダウンできる“アドベントカレンダー”を開発
[国名:ドイツ/企業名:Kit Kat]
“Have a break”でお馴染みのチョコレート菓子・キットカットが、クリスマスシーズンを楽しむ人ではなく、“クリスマス商戦を繰り広げている人”のためにちょっと一休みできる商品を開発しました。その名も、“24 Breaks before Christmas”。
クリスマス商戦を仕掛けている側にとっては、連日怒涛の業務に追われるクリスマス。疲れもたくさんたまっていることでしょう。そんな人々に“ちょっと一休み”を提供しようと開発されたのが、このカレンダーアイテムです。
通常は4本のチョコレートが1袋に入っているキットカットですが、今回開発されたのは24本入。12月1日からクリスマスの日まで毎日1つずつ小窓を開けて中に入っている小さなお菓子を食べる『アドベントカレンダー』のように、クリスマス当日まで1本ずつ食べてカウントダウンできるようになっています。
10.インドネシアの公文学習塾が子どもたちに配布した効果絶大なカレンダー
[国名:インドネシア/企業名:公文]
世界46カ国で子供たちの学習を支える「公文」が、インドネシアの子供たちに退屈な算数の勉強を楽しんでもらおうと開発した『2000+12カレンダー』というプロモーショングッズ。
こちらは日めくりカレンダーで、毎日のカレンダーに算数の問題(計算式)が1問掲載されています。そして問題の回答が“その当日の日にち“になるという仕掛けです。
カレンダーをめくるたび毎日出題される計算式には、単純な足し算だけでなく、引き算、掛け算、割り算がランダムで出題されるようになっていて、子どもたちが着実に算数の力をつけられるような仕様になっています。
このカレンダーはジャカルタ市内の5,6歳の子どもがいる家庭に配布されたそうで、その結果、受講の申し込みが著しく増加したといいます。
11.コーヒーパウダーをかけると“絵が浮かび上がる”カレンダー
[国名:ドイツ/企業名:Kraft]
インスタントコーヒーなどを取り扱う食品メーカー「クラフトフーズ」が、ステイクホルダー向けに配布した一風変わったカレンダー。一見何も描かれていない白紙に見えますが、白紙のページにコーヒーパウダーを振りかけるとイメージが浮かび上がるという仕掛けが施されています。
カレンダー制作の意図はステイクホルダーに驚き、楽しんでもらうことだったそうです。ブランドへの関与が自然な形で深まりそうですね。
12.ドイツ保険会社の小粋な“リンゴ”カレンダー
[国名:ドイツ/企業名:AOK]
健康保険会社・AOKがオフィスの受付に設置したカレンダー。
1日1つのリンゴをチューブから取り出して、食べて、日付を設定するというもの(「1日1つのリンゴが医者を遠ざける」という格言を意識してのアイディアのようです)。このカレンダーを設置した結果、オフィスに訪れる来客から非常にポジティブな反響を多数得たそうです。
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