「洋服についたシミ」で皮膚がんの早期発見を啓発! 製薬会社の意表をついたPR

Case: melanoma campaign 2013

皆さんは「メラノーマ」という病気をご存知でしょうか。「悪性黒色腫」とも呼ばれる皮膚がんの一種です。見た目はほくろと似ているためほくろと間違いやすいのですが、非常に進行が速く、他の臓器への転移もしやすいという恐ろしい病気です。

一方で痛みなどの症状はほとんど現れないため、皮膚がんであると気付きにくく、異常を感じて病院を受診した時には既にかなり進行している、というケースも多いのだそうです。

特に欧米ではメラノーマの発症率が高く、スペインでは年間700人以上もの人がメラノーマによって命を落としているという調査結果も出ています。

そこで、アメリカの製薬会社「ブリストル・マイヤーズ スクイブ」は、この病気に関して人々に広く知ってもらおうと、スペインで「メラノーマ・キャンペーン 2013」と題した啓発活動を行いました。

キャンペーンが展開されたのは、首都・マドリードにあるショッピングセンター。

若者向けの服を扱うファッションブランド40社以上の協力のもと、各店舗で販売されている服1枚1枚に“黒いシール”を貼ったのです。その数およそ7,000枚。

この黒いシールは服に付いた“シミ”をイメージしています。さらに服にはカードが下げられていて、次の文章が記されています。

「If you care about spots on your clothes, why not care about those on your skin.」
「服に付いたシミは気にするのに、あなたの皮膚にあるシミには気を配らないのですか?」

つまり、メラノーマによく似た“シミ、ほくろ”にもっと注意をくばり、メラノーマの初期症状を見逃さないようにしましょう、という事を訴えています。

買い物客は、服に貼られたシールに怪訝な表情を浮かべますが、カードに書かれた内容を読んで深く納得した様子。

この取り組みは多くのメディアで紹介され、キャンペーンが実施された月には、皮膚科の病院を訪れた人の数が14%も増加したそうです。

日常生活の中で“体調がいつもと少し違うかな?”と思っても、他にこれといった症状がなければそのままうやむやにしてしまうこと、ありますよね。

気付いた時には病が進行していた…という事態にならないよう、自分の体ときちんと向き合うことを促したキャンペーンでした。

皆さんはご自身の体が発するシグナルに、ちゃんと耳を傾けていますか?

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