世界のアイディア溢れる看板広告27選
Case:World Great Billboard Advertising
世界のユニークな看板広告をまとめて紹介します。
思わず足を止めて見入ってしまう看板広告、見るだけでなく体験したくなる看板広告など色んなタイプのアイディア溢れる事例をまとめました。
ではどうぞ!
1.誰もが知ってるあのロゴを2つのライトで描いた看板広告
マクドナルドが夜間営業を新しく行うことを周知するための看板広告。
夜、ロゴマーク(ゴールデンアーチ)を2つのライトだけで巨大看板に描いています。夜でも営業していることを、如実に物語るクリエイティブ。思わず目を奪われる巧みな表現。
2.“今にも倒れてきそうな”看板広告
[国名:インド/団体名:Mumbai Traffic Police]
インド ムンバイの交通警察が、シートベルトをほとんど着用しない市内のドライバーに向けて仕掛けた看板広告。
同団体は「シートベルト着用の有効性(=危険から自らの命を救う)」を声に出して訴えてもドライバーの心には響かないと考え、デモンストレーションで表現する方針に決定。
自動車の交通量の多い道路脇に、歩行者から見て“あえて危険な角度”で巨大な看板広告を設置。この今にも倒れてきそうな看板広告を巨大なシートベルトが支えていて、あたかも歩行者を危険から守っているように見えるという仕掛けを施しました。
なお、看板には「Seat belt save.」というシンプルなメッセージが描かれています。
3.“お客様が新しいお客様を連れてくる”を地でいく人間看板広告
イタリアのインターネット銀行ING Directの一風変わった『人間』を使った看板広告。
コンセプトは、“our clients are our best advertising” =「(既存の)お客様が(新規のお客様を獲得するための)最も有効な広告となる」というもの。
同社の“既存顧客”を街頭の看板広告やバス広告に起用して、この広告の前を通りかかる“見込み客”にING Directの魅力を語りかけさせるという企画。この広告は様々な報道機関からの取材も受け、テレビや紙メディアで多数の露出に繋がりました。(こちらは2010年London International Awards,看板広告部門で金賞を受賞した作品です)
4.自然の力を活用した“アナログ3D”看板広告
ドイツの鼻毛&耳毛用ミニトリマーTondeoの屋外広告。
公園の柵に設置されたこの広告。成人男性の顔が大きく描かれたクリエイティブですが、彼の鼻の穴からは元々周囲の柵に広がっていた蔦が飛び出していて、あたかも鼻毛が豪快にでているように見えるという企画です。
『あなたもこうはなってませんか?Tondeoのミニトリマーでケアしてね!』というメッセージを発信しています。自然ならではの質感を巧みにクリエイティブに応用したこの広告。蔦のくねくねした感じがリアリティのあるニュアンスを醸し出すことに成功しています。
5.“自家発電” 看板広告
三菱自動車の電気自動車ブランド「iMiEV」の看板広告。
オーストラリア初となる電気自動車ブランド「iMiEV」の発売を記念して、商品特性をわかりやすく訴求するために、“看板広告のライトを「iMiEV」から供給させているように見える“デザインを施しました。
6. “Viral(ウイルス)”看板広告
[国名:カナダ/企業名:Warner Bros. Pictures Canada]
パンデミックサスペンス映画「Contagion」の看板広告。
「Contagion」(感染・伝染)というテーマにマッチする看板広告をトロント市内のお店の窓に設置しますが、一見すると何も描かれていないように見えます。ところが、日が経つにつれて看板に塗られた特殊なバクテリア(ウイルス)が自然に増殖することにより「Contagion」の文字が浮かび上がっていきます。この試みは様々な新聞やオンラインメディアでパブリシティに繋がったそうです。
バイラル・ムービーはよく聞きますが、バイラル・ビルボード(看板)は初めてみました。比喩ではなく『本物のウイルス』(バクテリア)を起用した点が驚きです。
7.“広告自体を燃やす”ことで真意を訴える看板広告
[国名:ケニア/企業名:Taystee Chili Sauce]
ケニアのチリソースブランド「Taystee Chili Sauce」のユニークな看板広告。
イタズラにでもあったのではないかと錯覚してしまうような一部を残して燃え尽きてしまった看板。『辛さの最上級』を表現する際には、よく「火をふくほどの辛さ」と言ったりしますが、「Taystee
Chili Sauce」はまさに、『火を吹くほどに辛いチリソース』だということを、こちらの“燃え尽きた看板広告”を通じて示唆しています。
8.“陽が沈む”とクリエイティブが浮かび上がる看板広告
[国名:USA/企業名:Newcastle Brown Ale]
イギリス発祥のビールブランド「Newcastle Brown Aleがサンディエゴの飲み屋街に設置した看板広告。
ニューヨークで活動する気鋭のシャドウアーティスト2名により、Newcastle Brown Aleのビール瓶のふた約3000コと、一つのライトを用いて『夜間にだけ見ることができる』クリエイティブを制作しました。
陽が沈むことで“今にもNewcastle Brown Aleを飲もうとして手を伸ばしている人の姿”が幻想的に表れます。
9.“空に浮かぶ”看板広告
インドの大手ヘルスケア企業が製造する甘味料「Sugar Free」の看板広告。
「Sugar Free」に含まれるカロリーが非常に少ないことを表現するために世にも珍しい“空に浮かぶ”看板広告を制作しました。『浮かぶほど軽い』≒ 『ローカロリー』と示唆しています。
表にはあまりでてこない裏方(一般生活者ではなくメーカーへのアプローチが通常)の、『甘味料ブランド』が、このような市民を対象とした遊び心のある広告を展開した点が興味深いです。
10.あえて“目立たない”看板広告
小型自動車ブランドSmartの看板広告。
『環境への負荷が少ない(環境に優しい)コンパクトカー』=Smartというイメージを印象付けるために、(環境への負荷が少ない)ミニチュアサイズの看板広告を制作しました。この看板広告には、『Small is beautiful』や『Small is better』、『Celebrate small』など「小さいことが素晴らしい!」という表現が綴られています。
この広告を「認知した人」の数は、通常サイズの屋外看板広告に比べて恐らく少なかったと思われます。ただ、「認知した人」のうち、このブランドの広告メッセージについて、「腹落ちした人」の割合は、通常の看板広告に比べて圧倒的に高かったと推測できます。到達、認知数をある意味で犠牲にしてでも、限られた人にメッセージを届け、確実に腹落ちさせる秀逸な看板広告です。
11.メッセージを“かぶらせる”ことで真意を訴える看板広告
[国名:オランダ/団体名:NFS (Dutch Stutter Foundation)]
吃音症の人を支援するオランダの団体による吃音症の理解を促すための啓発看板広告。
この広告のタグラインは『Be patient with people who stutter』(吃音症の方の話は辛抱強く待ってあげてくださいね)というもの。広告メッセージが一部重なっているように見える奇妙な看板。
こちらは吃音症の方が言葉を発するときのように“どもってつっかえている”様子をダイレクトに表現するクリエイティブに仕上がっています。看板広告の左から2つ分のメッセージの一部が重なって隠れている事を通じて、吃音症の人が“つっかえている”様子を巧みに表現しています。
12.社名や商品を一切出さないけど、どこが発信したか明確に分かる看板広告
「サブリミナル効果」を意味する「Subliminal message」という2単語のみで構成された、社名や商品が一切記述されていないクリエイティブですが、これだけで大勢の人にどこの広告がわかるという仕掛け。もちろん、サンドウィッチで有名なファーストフード店Subwayの広告です。
『この特徴的なフォントと色を目にするだけで、「Subway」のことを(知らず知らずのうちに沁み込んだサブリミナル効果で)想起しちゃうでしょ!』と、冗談で示唆するクリエイティブに仕上がっています。
13.“チラッと一瞬だけ見える”からこそ人の注意を惹きつける看板広告
マクドナルドが24時間営業を告知するために、バンクーバーの幹線道路に仕掛けた看板広告。
陽のあたる昼間、真っ白で何も描かれていないように見える看板。では、暗くなる夜にだけ広告が浮き上がるような仕掛けを施しているかと思いきや、夜になっても何も映っていません。こちらの看板広告は、暗くなるだけで反応するのではなく、幹線道路を走行する自動車のヘッドライトが反射する瞬間にだけ、『Open all night.』という文字とマクドナルドのロゴが映し出されるという仕掛けになっています。
自動車の運転手にしてみると、看板広告の横を通り過ぎる少し前に、前方右側に一瞬だけチラッと広告が目に入るという仕様です。一瞬だけチラッと見せることで、「何だあれ?」と人の注意を引きつけることを狙った企画。ハッキリ見せなくさせることにより、アテンションを得ようとする逆転の発想がユニークです。
14.あえて“極狭スペース”に掲載する看板広告
コンパクトカーSmartの屋外広告。
広告タグラインは『Fits everywhere』。非常に狭いスペースでも駐車可能なSmartの特性を表現する為に、あえて大きな自動車の看板と看板の小さな隙間に広告出稿するという仕掛け。
狭いスペースだからこそ、逆に目立ち、ブランドの特長も直観的に訴求することができます。
15.時間が経つとメッセージが浮かび上がる看板広告
メルセデス・ベンツが取り組む最先端の環境テクノロジー『BlueEFFICIENCY』を市民に訴求する看板広告。
交通量の多い道路付近に設置されたこちらの看板広告は、一見すると『BlueEFFICIENCY』のロゴだけが小さく掲載されたホワイトボードのように見えますが、真っ白な看板の表面には特殊な加工がなされており、日が経つにつれて文字が浮かび上がる仕様になっています。
浮き上がってきたメッセージには、「If more cars had BlueEFFICIENCY, you wouldn’t be able to read this.」(もし多くの自動車がメルセデスの『BlueEFFICIENCY』技術を導入していれば、あなたはこの文字を読むことができなかっただろう)と、市民への皮肉たっぷりのメッセージが記されています。こちらの看板はヨハネスブルクの市民の間で、ネットやラジオで大いに話題になりました。
16.“オレンジで明りを灯す”自然に優しいナチュラル看板広告
フルーツジュースブランド、トロピカーナの看板広告。
オレンジに元来備わっている微弱な電流を使って、巨大看板に明かりを灯すというプロジェクト。この明かりにより“Natural Energy”という文字とトロピカーナのロゴを看板に照らし出しました。“自然環境に優しいブランドであること”を訴求するための仕掛けです。
17.“手品”が施された看板広告
[国名:カナダ/団体名:Quebec magic festival]
カナダ東部のケベック州にて開催する『手品フェスティバル』の告知用看板広告。
『手品フェスティバル』を市民の間で話題にさせるために、看板広告にも“手品の仕掛けを施す”ことを企画。具体的には、古典的なマジックの一つである『帽子からハトが飛び出てくる』仕掛けを看板広告に施し、道行く人の注目を喚起しました。
ハトが飛び出してくるところは思わず写真を撮りたくなりますね。
18.ドライバーの目の錯覚を利用した看板広告
P&Gの家庭用洗剤ブランド「Ariel」の道路脇に掲示された看板広告。
白いワイシャツが描かれた看板広告の前方に、遠くから見るとワイシャツの『黒いシミ』のようにみえる小さな看板を別途掲示します。
自動車で道路を走行しているドライバーには、看板広告に近づいて行くにつれて目の錯覚で『黒いシミ』が付着していたワイシャツから、シミが徐々に離れていき、最終的にはワイシャツが真っ白にきれいになる(見える)という仕掛けをほどこしました。
19.感動で“涙がとめどなく溢れてしまう”看板広告
[国名:カナダ/興行名:Calgary International Film Festival]
カルガリー国際映画祭の告知用看板広告。
素敵な映画を観賞して、感動で号泣する男性の様子をクリエイティブに起用。ただこちらの男性が流している『涙』は絵ではなく、看板に描かれた男性の「目尻」部分に穴を空け、その穴から実際に水を流すことで号泣しているように見える表現を採用しました。「映画に感動しすぎて涙が止められない」ことを強調した仕掛けです。
20.ハチを使ったハチのための看板広告
イギリスで近年減少しているハチを保護するために、寄付金を募る看板広告。
世界で初めてハチ100,000匹以上を活用して「SOS( “Save Our Swarm” )」と記した看板広告。
21.男性が雨が降ることを祈らずにおえない看板広告
男性誌Playboyによるオンライン版ローンチにあたっての看板広告。
看板が雨に濡れると、看板に映っている女性のTシャツが透けていくという仕掛けです。広告には「Guys, pray for rain!」と記されています。
『雨が降ると家でネットサーフィンにいそしむ機会が増えるのでPlayboyオンライン版も楽しんで!!』という思いを表現しています。
22.雪玉を当てるとクーポンがもらえる看板広告
[国名:ロシア/企業名:Charter Tourist Agency]
ロシアの旅行代理店Charter Tourist Agencyの体験型看板広告。
同社が拠点をおくウラル地方は、一年のうちで約半年もの間雪が振り積もる地域で、市民にとっては『暖かい地域に旅行をすること』が共通の願いであり、そんな市民のインサイトを背景に、暖かい地域として人気の旅行地であるイタリア、ギリシャ、インドの3都市のイメージを描いた看板広告を設置。(ピサの斜塔、パルテノン神殿、アルハンブラ宮殿がそれぞれの都市の象徴として描かれています)
歩行者は看板に描かれている3都市の中から行きたい地域を選び、雪玉を狙いすまして看板のセレクトした地域に命中させます。雪玉を当てたら、当てた証拠を写真に撮ってCharter Tourist Agencyの店頭で見せると、その地域への旅行代金がディスカウント(9.9%)されるという仕掛けです。
こちらの仕掛けはローカル紙で非常に数多くのパブリシティを獲得し、オフシーズン期間のプロモーションにもかかわらず、ピークシーズン以上のお客さんが店舗に来店しました。
23.位置情報サービスと連動した“サンプリング”看板広告
ドイツのペットフードGranataPetによる認知拡大に向けた体験型看板広告。
ペットを連れたオーナーがGranataPetの看板の前でfoursquareにチェックインをすると、自動でペットフード一食分が吐き出し口から出てくるという仕掛け。
このプロモーションの結果、foursquareにチェックインした数多くのペットオーナーが、別途店舗を訪れてペットフードを購入しました。位置情報サービスを活用したサンプリングとしても参考になる仕掛けだと思います。
24.QRコードのスキャン率が物凄く高そうな看板広告
[国名:USA/ブランド名:Victoria’s Secret]
ランジェリーブランドVictoria’s Secretの体験型看板広告。
美女の大切な部分がQRコードで隠されているという看板広告。合わせて『Reveal Erin’s secret』(Erinちゃんの秘密をのぞいてご覧よ)という文字が記載されています。歩行者がこのQRコードを携帯電話を使って読み込むと、QRコードの部分が「Victoria’s
Secret」のブラジャーに変換されて見られるという仕掛け。
ディスプレイには『Sexier than skin』(Victoria’s Secretのランジェリーは裸よりもセクシー)というメッセージも表示されます。ランジェリーの直接的なターゲットである女性だけでなく、スキャンする男性からの間接的なブランディングを狙っている気がします。
25.“セレブ気分”にさせてくれる看板広告
ニコンD700の看板広告。
ソウル市内のある駅から家電量販店までの道に赤絨毯を敷き、そこに“センサー付き”のカメラの看板広告を設置。人がその看板の前を通ると、センサーが反応し、カメラのフラッシュがいっせいに焚かれるという仕掛けが施されていました。
26.数千枚のクーポンが貼られた看板広告
Burt’s Beesのフェイスケア用品の看板広告。
新商品の『使用前』と『使用後』を看板広告を通じてデモンストレーションするというコンセプト。数千枚のクーポンを看板広告の表面に貼り付けます。はじめ看板に映っている女性の肌がパサパサ乾燥した状態に見えますが、歩行者が貼り付けられている商品クーポンを一枚一枚手に持っていくと、その下からつやつやお肌の笑顔の女性が現れるという企画。
『クーポンを使って、商品を入手して使用してもらうことで、あなたの肌もこうなりますよ!』ということを訴求しています。
27.インタラクティブゲームが楽しめる看板広告
マクドナルドが、ストックホルム市内で手掛けた“インタラクティブゲーム”が楽しめる看板広告。
スマートフォンをコントローラーにして、ピンポンゲームを楽しむことができるという仕掛け。このゲームを30秒以上ミスすることなく続けられると、マクドナルドの近くの店舗情報とそこで利用できるクーポンを入手できます。なんとなくクーポンの使用率も高そうに思いました。
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