ドラッグ中毒にまつわる誤解。“何かと繋がりたい”本能が満たされれば、ドラッグなんて必要ない!

現代、麻薬に溺れる人の数は過去最悪と言われています。「麻薬中毒は個人の問題」と今までは語られて来ましたが、本来ならば社会で語られるべきだ、と啓発するこの映像。深く納得する方も多いのではないでしょうか?

“中毒”に関する誤解

“薬物中毒”と聞いて、あなたはどう解釈していますか?薬物が薬物中毒を起こすのだ、と思う方も多いでしょう。例えば20日間ドラッグを使い続けると、21日目には体がドラッグを欲しがるようになる。つまりは“薬物自体に問題があるのだ”と思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。

鎮痛剤として使われるドラッグ“モルヒネ”

例えば骨折して入院したとしましょう。数週間に渡り、鎮痛を目的に“モルヒネ”が投与されます。“モルヒネ”は麻薬です。道で買うものよりも強い、この麻薬。

では、モルヒネにより骨折治療をした人は退院後に家族のもとへ帰り、薬物中毒となるのでしょうか?結果はノーです。それは一体ナゼでしょう?

科学者による実験

そこで科学者がとある実験をしました。1匹のネズミを檻に入れ、“麻薬入りの水”と“ふつうの水”を用意。檻の中のネズミは、麻薬入りの水を好んで飲み続け、その後どうなったかと言うと…。

中毒になり、死んでしまいました。予期できた結果ですよね。しかし、そのネズミの環境をよりよいモノに変えたとしたら、どんな結果になるのでしょうか。

ネズミの楽園

広い芝生広場に遊具、友達に恋人…そんな楽しい環境でネズミたちがどうしたかと言うと、麻薬入りの水を飲まずに普通の水を飲み、元気に楽しく過ごしていたと言うのです。

恐怖と孤独に陥る戦争

一方ベトナム戦争では、常に死と向き合う孤独な環境で、アメリカ兵士の20%がドラッグを使用していました。

しかし生還後、95%の兵士が中毒にはならず、家族や友人と幸せに暮らしたと言います。

親友の減少、より広くなる家

また1950年以来、アメリカ人の親友の数は年々減少の傾向にあると言われています。その反面、一部屋辺りの広さは大きくなっているとか。そして人は、より孤独になってゆくのです。

入院による麻薬、1匹のネズミの麻薬、戦争での麻薬。それらを踏まえて考えると、ある1つの結論に達しました。

何かと繋がりたいという本能

それはつまり、人間には何かと繋がりたい本能があるということ。

幸せは、人との繋がりにあるのです。

そして信頼できる人間関係が希薄だと人は孤独を感じ、別の安らぎと繋がろうとする。それが、『スマホ』や『動画』や『ギャンブル』、そして『ドラッグ』だったりするのです…。そうすることが“人間の本能だ”と、ナレーションは語ります。

何かに依存しなくても済むように。人はお互いに歩み寄ることにより、お互いを認め合い再発見して行くのです。

ドイツのミュンヘンにあるデザインスタジオ、“Kurzgesagt”と“Moby Digg”、そしてベストセラー作家“JOHANN HANRI”のコラボレーションにより制作された啓発映像でした。

様々な実例と心理学者による実験やデータを、ポップなアニメーションに乗せて興味深く解説してくれるこの映像。ドラッグのみならずスマホや動画に依存しがちな私たちに、何やら警告しているような気がします。日本語字幕もあるので、ぜひ一度ご覧ください。

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