1965年7月、ニューポートフォークフェス。ボブ・ディランがエレキギターを持ったステージで、“真のロック魂”が生まれた。

“ロック”という言葉に、どんな意味を感じますか?“反骨精神”のような、常に何かを打ち破りつつ前進するスピリット。それは若者の心を捉え、音楽界のメインストリームを突き進むパワーとなっています。昔からロックは存在しましたが、中でも“あの時、あの瞬間に、ロックは誕生した…”という歴史的瞬間がありました。1965年、ニューポート・フォーク・フェスティバル。あるミュージシャンが行ったパフォーマンスこそ真のロック魂だと、今もなお語り継がれています。

ニューポートフェスという存在

「ニューポートフェスは北アメリカで“おじいちゃん的存在のフェス”だった。みんなその瞬間にいるために、様々なところからやってくるんだ。」と、プロデューサーは語ります。

1967~70年代がピークだったと言われる野外フェス。そしてそのほとんどが、アメリカ、ロードアイランド州ニューポートだけで展開されていったと言っても過言ではないほど。

ステージの大トリは“ボブ・ディラン”

当時フォーク界でナンバー1の地位にいたボブ・ディラン。何と彼は、手にエレキ・ギターを携えてステージへ上がり、“プラグ・イン”します。「ライク・ア・ローリング・ストーン」、「マギーズ・ファーム」などを披露したボブ・ディラン。そしてステージから去るとき、彼のフォークソングを期待していた観客からは“ブーイングの嵐だった”と、フェスティバルの創設者は語ります。

アコースティックが大前提のフォークミュージック。そのミュージシャンがエレキギターを持って、「これが俺のフォークミュージックだ!」と“ロック魂”を主張するパフォーマンス。それは若者の声を代弁し、まさに音楽の歴史が変わった瞬間なのです。

当時を振り返る人々

「スピーカーがぶっ飛んだよ。」と、サウンドエンジニア。「世界がまだ心の準備が出来てない、何か新しいことをやろうとしていた。」というストラヴィンスキー。

「ボブ・ディランこそがエレキギターを持って初めて“ロック”をした人。“これが俺のフォークミュージックだ。俺が夢中になることをやらない手はないだろ?”と言っていたかのように。」と語るのは、ザ・ディセンバリスツのコリン・メロイ。2015年のニューポートフェスにも出演しました。

この1965年の歴史的なフェスは、音楽界を新たな時代へと導く先駆けとなったのです。

プラグ・インの瞬間、全てが変わる。そして、もう振り返ることはない。

車の前方からプラグ・インして、充電するハイブリッドカー“e-tron”をリリースしたアウディは、2015年のニューポート・フォーク・フェスティバルのオフィシャルスポンサーです。次の歴史的“プラグ・イン”の瞬間は、いつでしょう?

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