盲目少女の果てしない想像力。オリジナルとこんなにも違う少女の『オズの魔法使い』
盲目の人が映画を楽しむとき、何よりも音声が頼りです。どんな小さい音でも聞き逃すことなく、私たちが聞き取れないような音も拾いながら想像力を働かせています。7歳の少女、エミリーは視覚障害者。目では見えないけれども大好きな映画があります。それは『オズの魔法使い』。耳からの情報を最大限に生かして、彼女なりのオズワールドを想像しながら楽しんでいたようです。
そんなエミリーが想像した『オズの魔法使い』の世界を、プロの大人たちが再現にチャレンジしました。
形、色、音を想像しながら
「まずは形、色、そして音に思いを巡らせるの。それをぜーんぶ頭の中に詰め込んで、考えるんだ。『私にはどんな風に見えるかな?』って。」そうキュートに語るエミリーは7歳。視覚障害者です。とっても愛らしい彼女は、みんなの人気者。
エミリーが思う“エメラルドの都”
エミリーが想像する“エメラルドの都”では、その全てがエメラルド色。もうここから、実際とは大きく違ってきました。「オズのエメラルドの都は、何もかもがエメラルド色なの。雨も雪も建物も、芝生も、土でさえエメラルド。」エメラルドの竜巻…すてきです!
エミリーの“ブリキの木こり”
「私の木こりは、おウチくらいに大きな足があって、心がないから、やせっぽちなの。」頭にカツラをつけている木こり。このカツラも、エミリー自身が触れながら慎重に選びました。とても綿密に想像しているようで、細部にこだわりつつイメージを大人たちに伝えます。
エミリーの“ライオン”
「トイ・プードルみたいにちっちゃいの。」そして、ナゼか“水かきのあるアヒルの足”がついている、とっても臆病なちっちゃなライオン。「ライオン=大きい」という、目で見る常識を超えています。
エミリーの“かかし”
かかしでさえ、エミリーの頭の中ではこんな感じに!歯も木で出来ていて、指の爪がすごく長いのです。洋服には色とりどりのチューブがついます。
ドロシーは私!
「ドロシーはねぇ、私みたいなの!」と、すっかり映画の中に入り込んでいるエミリー。ドロシーのドレスや靴のデザインまでイメージがあるようです。
視覚障害者の映画鑑賞を音声でサポートする、“XFINITY”音声ガイドサービスのコマーシャルでした。
エミリーのファンタジーがあまりにも豊かで楽しく、エミリーバージョンを全編観たくなるようなこの映像。彼女の想像力は、目からの情報に頼っている私たちよりも、ひょっとしたら豊かかもしれません。
(参考サイト:Ads of the World)
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