「ランチの時間だけでできる社会貢献」とは? イギリスの社会派OOH
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が引き起こした経済危機が引き金となり、イギリスでは過去5年間で緊急時用の非常食(災害発生時だけでなく、解雇などに伴う一時的に無収入となったときの食事も含む)のニーズが94%増加したという調査結果があります。
事態は日々逼迫(ひっぱく)していくにもかかわらず貧困家庭への寄付金は減少傾向にあり、特に企業からの支援は大幅に減っているようです。この状況を少しでも改善するために同国のクリエイティブエージェンシー・Imperoは事態の深刻さを独特なメッセージングで表現したOOHを公開しました。
“The Lunch Hour Sacrifice(ランチの時間だけでできる社会貢献)”という施策で描かれるのは、カビの生えたパンやどう見てもおいしそうには見えない食材、そもそも食事なのかすら怪しい何か……そんな不気味なビジュアルの横に「お腹が空いた子どもにはあらゆるものがごちそうに見えてしまう」というフレーズが書かれています。通常であれば口にしない食べ物も、深刻な貧困状態に陥ってしまったら食べかねないというメッセージをインパクト抜群のビジュアルで描いているのです。
「非常用の食料の3個に1個は空腹の子どもの手元に届けられています」というメッセージのバージョンもあり、危険な状況に陥った子どもがどれほど多いかを切実に訴求しています。施策の目的は企業からの寄付金を募ることで、従業員のわずか1時間分の給料に相当する金額で救える命があると伝えているのです。まさに「ランチの時間だけでできる社会貢献」というタイトル通りの施策でした。
社会全体にとって意義のあるメッセージを通じて自社のクリエイティブ力を訴求した、ストレートかつパワフルなこのOOH施策。多くの広告代理店が自社のアピールを行う際に作る企業リールなどもこのようなアウトプットになれば、もしかしたら少なからず社会に影響を与えることができるのかもしれません。
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