火災で焼けた商品を“復興”のシンボルに。レバノンのガーデンショップのCSRキャンペーン
Case: We the unburnt
中東を拠点とするガーデンショップチェーン・Exoticaが2019年にレバノンで実施したCSRキャンペーンをご紹介。
火災によって焼け焦げた商品のフラワーポッドを、その姿を生かしたままリデザイン。「We the unburnt(私たちは燃え尽きない)」と名付け、同国の経済政策に抗議し立ち上がった人々を応援するための商品として販売したのです。
このキャンペーンが行われた2019年末、レバノンの街角は荒廃していました。
その原因は、政府による経済政策の失敗。しかも各地では大規模な森林火災が相次ぎ、何重もの災難が国を襲っていたのです。
この状況を打ち破るため、レバノンの人々は立ち上がりました。
政府とともに沈むことをせず、周りの人々と手をとって前に進むことを決めたのです。
同じ時期、レバノンにあるExotica最大の施設で火災が発生しました。
施設は跡形もなく全焼。
保管されていた大量の在庫は、無残に丸焦げになってしまいました。
しかしExoticaの人々は、この光景から感じたのです。
「火のなかにあっても、立ち上がっている美しい人々がこの国はいるじゃないか。」
「たとえ火に焼かれても、私たちは燃え尽きない。」
Exoticaはレバノンの森林保護NPO・AFCA(森林開発保護協会)と協力し、火災によって消失した森林に植樹を行うプロジェクトを立ち上げました。
自社施設の火災によって焼損した商品をデザインしなおし、新たな生命を吹き込むことにしたのです。
その名は「We the unburnt(私たちは燃え尽きない)」。
それは、経済混乱や森林火災の“灰”のなかから立ち上がるレバノンの人々に対する尊敬の意味も込められていました。
焼け焦げたフラワーポッドは、その形を上手に活かしながら「新たな姿」に生まれ変わりました。
火に焼かれたフラワーポッドからも、新たな生命が芽吹くことを証明したのです。
あるフワラーポッドは、新進気鋭のアーティストたちによって、あざやかな表情を与えられました。
その姿は、さまざまな愛や志をもって前にすすむ、レバノンの人々ひとりひとりの表情をイメージしています。
これらはExoticaの店頭で実際に販売されました。
ひとつ販売されるごとに、レバノンの森に1本の木が植樹されます。
このプロジェクトはSNS上で大きな話題を巻き起こしました。
「大火のあと、そこには再び新たな命が芽吹いたのだ!」
このプロジェクトを通じ、ExoticaのSNSフォロワーは40%も増加。インプレッションは120万にのぼり、8,000人の人々が拡散しました。
どんなに苦しい状況であっても、そこに命がある限り、決して歩みを止めない──。文字通りその「姿」をもって体現したフラワーポッドが、多くの人々の心に新たな種を植えたのでした。
※本編動画は、引用元の記事にて視聴できます。
Exotica Integrated Advert By Publicis: We the unburnt | Ads of the World™
(via Ads of the World)
4