公式オンライン飲み会「よなよナイト」 ヤッホーブルーイング担当者に聞く実施の裏側
Case:株式会社ヤッホーブルーイング「よなよナイト」
話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・PR事例の裏側を、担当者へのインタビューを通し明らかにする連載「BEHIND THE BUZZ」。
今回は、株式会社ヤッホーブルーイングが3月27日(金)に自社のYouTubeアカウントで実施した「公式オンライン飲み会」を取り上げます。家の中でどう過ごすかという点が注目される最中に実施されたこの企画は、自社Twitterで、飲み会ができない中で社員が「オンライン飲み会」を行っていると紹介した投稿への反響がきっかけだったそう。
「公式オンライン飲み会」の裏側や成果、今後の予定などを、企画を担当した株式会社ヤッホーブルーイング 井上敬介(ニックネーム:いっくん)さん、浦藤喬生(ニックネーム:きょんぴ)さんへ、メールインタビューを実施しました。
私たちらしいやり方で、ビールを飲む楽しさをお届けしたい
―ライブ配信実施はTwitterでの投稿への反響がきっかけとのことですが、アイデアが生まれ、実施に至った経緯を教えていただけますか?
「コロナの影響で飲み会がなくなる」という、ビール好きにとっての非常事態を乗り切るために、最近よなよなスタッフは「オンライン飲み会」をやっています
PCでビデオ通話しながら飲み会をするんですが、意外と気楽でいい感じなのです
今のムードをなるべく楽しく乗り切りたいですね…! pic.twitter.com/aCytalujXF
— よなよなエール/ヤッホーブルーイング公式 (@yohobrewing) March 18, 2020
昨今の時流の影響で自宅でお酒を楽しむ方が増えてきていることを、感覚としても、また直近の「よなよなエール」売上増加等からも感じていました。
そんな中私たちに出来ることはないかを考えた時に、2015年から始め、これまでに通算34回実施してきたオンライン飲み会「よなよナイト」の開催を思いつきました。
試しにTwitterでヤッホーブルーイングスタッフ同士のオンライン飲み会の様子を投稿してみたところ、予想していた以上の反応を貰うこともでき、「これは絶対にやった方が良い!」と確信しました。
また、世の中がこういった状況だからこそ、私たちらしいやり方でお客様にビールを飲む楽しさをお届けしたいという気持ちもありました。
(通算34回実施してきた中での)過去の知見やノウハウもありましたので、やることを決めてから実際の配信まではスムーズに進めることが出来たと思っています。
お客様とのコミュニケーションを交えながら進行していく構成は、これまでにもずっと行ってきたものでしたので、今回も引き続き行っていこうと決めていました。
私たちは、オンライン飲み会は一方的な情報発信の場ではなく、お客様との双方向的なコミュニケーションの場と捉えているので、一緒に飲んでいるかのような親近感や、質問・コメントのしやすい雰囲気づくりを意識しています。
また、今回の放送は過去配信してきたオンライン飲み会の様子を知らない方にも多く見ていただけるのではと考えていたので、美味しいクラフトビールの飲み方などを丁寧に伝えていくことを意識してコンテンツを設計していました。
―YouTubeのコメント欄や、感想を募集するGoogleフォームなどで消費者から寄せられた感想・意見等で印象的なもの、多かったものがあればお教えください。
放送トラブルを起こしてしまったときの常連の視聴者の方からの「こういうのも含めてよなよナイト(オンライン飲み会)だよね~♪」といったコメントが印象的でした。
あたたかいファンに支えられている放送だなと感じます。
多かったのは、「グラスに注ぐときのコツ」や「おすすめコンビニおつまみ」、「愛用のグラスは?」といった、宅飲みを楽しむための方法についての質問ですね。
メディアからの関心は「背景」「企業がやる意味/理由」「この取り組みの狙い」
―当日はテレビ番組の取材も複数入っていたようですが、メディア側はどのような点に関心をお持ちでしたでしょうか。
「背景」「企業がやる意味/理由」「この取り組みの狙い」に関心をお持ちでした。
「背景」では、世の中の「巣ごもり需要」の情勢に加え、ヤッホーブルーイングのクラフトビールの2月・3月の出荷量が増加していることにも着目いただきました。
「企業がやる意味/理由」は、多様で個性的なクラフトビールを日本に定着させることを企業ミッションとして掲げるヤッホーブルーイングとしては、家飲みもクラフトビールやヤッホーブルーイングならではの楽しさを感じていただきたいと考えたためです。
「取り組みの狙い」ですが、オンライン飲み会に参加されたお客様に、「よなよなエールってこんな楽しい会社の人たちがつくっているんだ」と感じてもらえたらと考えました。
―今後も続けていきたいとエンディングでおっしゃっていましたが、今後の展開予定についても教えてください。
次回は4月14日開催予定です。この日に発売する、リニューアルした『僕ビール君ビール』がテーマです。
今後もこういった動画コンテンツのニーズはあると見込んでおりますので、4月以降も引き続き施策を考え、実行していければと思っています。
―宅飲み需要関連では、サブスク「ひらけ!よなよな月の生活」も展開されていますが、そちらもやはり増加傾向でしょうか?
弊社の通信販売も前年比200%です。サブスク「ひらけ!よなよな月の生活」の会員数も増加傾向です。
―現在の宅飲み需要について捉えていること、これから啓蒙していきたい(楽しんでもらいたい)ことなどがあれば、お教えください。
SNSなどで生活者の方の投稿を拝見すると、今後もますます「宅飲み」需要が大きくなっていくのではと考えています。「オンライン飲み会」という言葉も最近ではかなり一般的に使われるようになっているなと思います。
私たちとしては、その宅飲みをより良い時間にすることができるような情報発信を今後も引き続き行えればと思っています。「ビールはグラスに入れて飲んだ方が美味しいですよ」とか「こんなビアスタイル(ビールの種類)のビールにはこういうおつまみがおすすめですよ」などといった情報です。
閉塞感のあるムードだからこそ、少しでも日々の生活が楽しくなるようなお手伝いが出来れば嬉しいです。
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