新たなスポンサードの形?コカ・コーラがゲームに登場する“架空のサッカー選手”をサポート

Case: Uplifted Alex

企業が著名なスポーツ選手とスポンサー契約を結ぶことはお馴染みの施策と言えますが、米コカ・コーラは、“ゲームに登場する架空のスポーツ選手”をスポンサードしました。バーチャル上の人物との契約はコカ・コーラ史上初といいます。

スポンサー契約を結んだのは、サッカーゲーム「FIFA18」のThe Journeyモード(一人の選手の視点でプロサッカー選手としてのキャリアを体験できるモード)で登場するAlex Hunter。

実はAlex Hunterとのスポンサー契約については、その前の作品「FIFA 17」でadidasとの契約という事例もあるのですが、コカ・コーラは今回より大々的にHunterをフィーチャーしています。

コカ・コーラ ゼロシュガーのCMに“起用”し、TV、ニューヨークのタイムズスクエアでの3D大型サイネージ、映画館、SNSといった様々なチャネルで展開しました。下記はモーションキャプチャを使った制作の様子です。

CMは、Hunterがスタジアムで子供からコカ・コーラの缶を受け取り、最後は一緒にセルフィーを撮るというストーリーです。

この“CM撮影”の様子は、「FIFA 18」のThe Journeyモード内でも“Hunterのサッカー人生の一コマとして登場する”という仕掛けになっています。そのため、上記のCMを見た視聴者だけではなく、ゲームを操作中のユーザーにもリーチできるようになっているのです。

さらに店頭では、Hunterを描いた限定デザイン缶も登場しました。

 

直近半年の間で1億ユーザー、1日あたり400万ユーザーがプレイするという「FIFA 18」。このゲーム発売後3ヶ月で、「FIFA 18」の中で出てくる“CM撮影”のチャプターは、59.6%のユーザーが体験。さらに、このパートナーシップによるコカ・コーラのSNSアカウントのリーチは、Instagramが37%増、Snapchatが123%増、Spotifyが211%増、YouTubeが12%増、Twitchが209%増となったといいます。

ゲーム上の架空の人物とのスポンサー契約は、スキャンダルで好感度が低下したり、契約で揉めたり、SNSで不用意な投稿をして炎上したり…といった実在の人物との契約で想定されるリスクが全くありません。そういったメリットもある一方、コカ・コーラの担当者は多くのサッカーファンが感情移入してプレーするHunterのキャラクターとしての魅力・自社製品との相性の良さも契約の理由と米メディアに語っています。

サッカーゲームに限らずゲーム上に登場するキャラクターへのスポンサードや、近頃注目を集めるVTuberとのコラボ施策など、“バーチャル上の世界”と“広告”の距離は今後ますます近くなりそうです。

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