シリア難民の窮状を伝える、一風変わったアグリー・クリスマス・セーター
Case: Really Ugly Sweater
様々な事情により、家族と暮らせない子どもたちへの活動支援を行う国際NGO・SOS Children’s Villages(SOS子供の村)。135の国と地域に拠点を置く、世界最大規模の非営利組織です。
少し前のことになりますが、この団体のベルギー支部が昨年のクリスマスに実施した、シリア内戦の惨状を伝えるキャンペーンをご紹介。
近年欧米では、12月になるとUgly Sweater(アグリー・セーター)といって、雪だるまやトナカイ、クリスマスツリーなどのモチーフを編みこんだド派手なセーターを着ることが流行っています。
赤や緑を使い、嫌というほどクリスマスらしさを前面に押し出したアグリー・セーターは、ダサければダサいほど良いそうで、これを着て参加するチャリティーイベントやコンテストも各地で行わるのだとか。
すっかりホリデーシーズンの定番となったこのイベントに着目したSOS Children’s Villages Belgiumは、『Ugly Sweater』を『Really Ugly Sweater(本当に酷いセーター)』に名前を変えたバージョンを発売しました。
こちらのセーター、デザインされているのはクリスマスモチーフではなく、シリアの難民キャンプとそこに落とされるたくさんの爆弾。
自分たちがクリスマスという幸せな時間を過ごしている一方で、戦争によって家や家族を失っている人たちがいるのだ、と気付いてもらうために制作された『Really Ugly Sweater(本当に酷いセーター)』は、ラジオの公開放送で紹介されたことを皮切りに、その後オンラインニュースやインフルエンサーによるSNS投稿、テレビなど各種メディアで大々的に取り上げられました。
結果、SOS Children’s Villages Belgiumが用意したセーターは、1週間足らずで完売。売り上げは現地の子どもたちのサポートに使われるといいます。
同団体が掲げるビジョンは『すべての子どもが、家族の一員として愛され、尊重され、守られていると感じながら成長すること』だといいます。社会の将来を担う子供たちが、安全で満ち足りた生活を送れるようになることを願ってやみません。
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