そんなところがメディアに!? トイレ・化粧室を舞台にした面白広告13選
Case: Creative bathroom ads
用を足すだけでなくホッとしたり、一息ついたりする空間、トイレ。女性にとっては化粧直しをする場所でもありますが、今回はそんな人々の日常になくてはならない空間を舞台にした世界のユニークな広告・プロモーション事例を厳選してご紹介します。
アイディアの参考になる事例の数々を是非ご覧ください。
1.ニュースサイト訪問者が37%増加! トイレのペーパータオルに新着記事を配信
[国名:メキシコ/企業名:Más por Más]
メキシコの大手無料日刊紙「Más por Más」が、Web版のトラフィックを向上させるために実施したプロモーション。同社が目を付けたのは、トイレにあるペーパータオル。Webサイトで公開した記事がペーパータオルに印字されるという特製の“ペーパータオルマシーン”を開発したのです。
ポイントは、マシーンをネットに接続することでリアルタイムに新着記事を印字することができるようになっている点。そして、これらをオフィスビルやショッピングモール、映画館など様々なトイレに設置しました。
インクはせっかく洗った手が汚れないようなものが使用されており、各ペーパーには携帯電話からサイトに遷移するためのQRコードも印字されていました。この取組みの結果、開始2週間でサイトのユニークビジター数が通常比37%増加したといいます。
2.SEXYなイケメンがあなたをパラダイスへ! 女性の願望を叶える『トイレの洗浄剤』
[国名:スペイン/企業名:Henkel]
家庭用洗剤などを製造するドイツの日用品メーカー「Henkel」が行ったトイレ洗浄剤のサプライズプロモーション『Flush to Paradise』。舞台となったのは、ショッピングモールの女性用化粧室。
普通の3~4倍もあろうかという大きな個室に入ると、そこには天井から紐が吊り下がっていて、「用を足す前に流してください」という大きな注意書きがあります。不思議に思いながらも女性たちが紐を下に引くと…突然トイレの壁と天井がスライドし、その向こうには南国のリゾート地を模したセットをバックに、素敵な肉体のイケメン達が次々と登場します。
体をセクシーにくねらせながら「あなただけのパラダイスへようこそ!」「水垢って嫌だよね?でも大丈夫!僕がきれいにしてあげるから。」「いつも君のそばで汚れから守ってあげる。」甘い口調で次々とささやきます。
男性たちは“トイレの洗浄剤の化身”というコンセプトで、『トイレのお掃除がラクになることの嬉しさ』を『女性にとってのパラダイス』になぞらえ、女性たちの密かな願望(?)を実現する形で表現した、楽しいゲリラプロモーションでした。動画の再生数は800万回を超えています。
3.空港のトイレから出られない!? 下痢止め薬をPRするゲリラプロモーション
[国名:イタリア/ブランド名:Yovis Viaggio]
ミラノの空港で行われた「Yovis Viaggio」という下痢止め薬のドッキリプロモーション。1人の男性が空港内のトイレに入ります。するとその直後、隠れていたスタッフが素早く壁やドアを組み立てたり、洗面台を運び込んだりしてトイレの間取りを変更し、出口を塞いで外に出られなくしてしまいます。
用を足して個室から出てきた男性は出口に向かいますが、そこにあったはずの出入り口はありません。「間違えたかな?」といった顔で戻りますが、もちろんそこは先ほどのトイレ。何が起こったのかさっぱり分からない、といった様子で行ったり来たりしています。
するとおもむろにドアが開き、そこには「せっかくのバケーションをトイレの中でこもりっきりで過ごすハメにならないように、『Yovis Viaggio』を用意してくださいね。」と書かれたメッセージが。そしてそのドアが外側から外され、種明かしとともにめでたくトイレから出られたという訳でした。“トイレの出口がなくて出られないこと”と、“お腹の調子が悪くてトイレから出られないこと”を重ね合わせたプロモーションでした。
4.飲んだら乗れない!? “アルコール検知器付”便器がシンガポールに登場
[国名:シンガポール/代理店名:DDB]
飲酒運転が原因による死亡事故が多発するシンガポールで飲酒運転を撲滅するために実施された啓発プロモーション。とある有名クラブのトイレに導入したのは、“The Pee Analyzer”(尿検査器)と、“無線ICタグカード。尿から瞬時に体内のアルコール度数を検知できる尿検査器を便器に設置し、従来のパーキングチケットをICタグ付きパーキングチケットに変更します。
クラブを訪れる若者は駐車場で車のキーと引き換えにICタグ付パーキングチケットを受け取ります。このICタグ付パーキングチケットは、個人を識別できる他、尿検査器で検知されたアルコール度数を記憶することができます。若者らがトイレを利用すると、トイレ壁面に設置されたICリーダーが利用者のICタグ付きパーキングチケットを読み込み、尿検査器から送られてきたアルコール度数情報をICタグ付パーキングチケットに書き込みます。
尿から検知された体内アルコール度数が法定基準を上回ると、便器の上のディスプレイに警告メッセージが表示されるという仕様です。クラブを去るには、駐車場でICタグ付パーキングチケットをICリーダーにかざす必要がありますが、アルコール度数が法定基準を上回っている場合は赤いランプとともに警告メッセージが表示され、クラブの帰宅サービスを利用するかタクシーを利用して帰らなければなりません。
2週間で573人の若者にテストを施し、342人以上が飲みすぎと判断されたといいます。酔っている人は自分が酔っているとは認識していないもの。このシンプルかつ優秀な機器のおかげで安全に帰宅できる人が増えたようです。
5.ここまでやるか!? 飲酒運転防止を啓発する驚愕必至のプロモーション
[国名:UK/団体名:Think!]
イギリスで実際に行われた飲酒運転防止を啓発するショッキングなプロモーション。場所は、パブの男性用トイレ。一人の男性がトイレで用を足した後に洗面台で鏡を見ていると…何の前触れもなく突如目の前にある鏡が、“何か”が衝突したかのように大きく割れてしまいます。
思わぬ出来事に腰が引けてしまう男性。その“何か”というのは、血だらけになった女性の顔(マネキン)だったのです。ドッキリにあった男性たちは、あまりの衝撃に一様に驚愕の表情を浮かべ、中には腰を抜かしてしまう程驚いた男性もいたほど。「飲酒運転をするとあなたの車のボンネットもこうなる可能性がありますよ」ということをダイレクトに訴えるゲリラ施策でした。
このプロモーションをおさめた動画は、世界各地で話題になりYouTubeで公開した動画は1100万回以上再生されています。正直“自分がこれをやられたら”と考えるとゾッとしてしまいます。
6.“公衆トイレの個室”を使ったアンビエント広告
[国名:オーストラリア/企業名:Luxbet]
オーストラリアの大手ブックメーカー・Luxbetのアンビエント広告。同社の新しくできたスマートフォンアプリを使えば、「Bet from anywhere」(=どこからでだって賭けられますよ!)ということを訴求することが狙いの企画です。
“from anywhere”という点を強調してユニークに伝達するために、ショッピングセンターやスーパーに設置されている公衆トイレの個室ドアを、競馬のスターティングゲートを模してデザインしました。トイレの中からだって賭けごとを楽しめますよ!ということを示唆しています。トイレの個室ドアが有効なメディアになってますね。
7.男性の“緊急事態”にはAXEが不可欠!
[国名:ケニア/ブランド名:AXE]
世界的に有名な男性用香水ブランド・AXEのプロモーション@ケニア。AXEのプロモーションといえば、“吹きかけるだけで急にモテモテ男に変身する現象”を冗談交じりに訴えるユーモアたっぷりの企画で知られていますが、今回の企画もご多分にもれず大胆な施策です。
仕掛けた場所は若者がたむろするナイトスポットの公衆トイレ。男性用便器の用を足す男性の目の高さの位置に、AXEが中に入ったエマージェンシーボックスを設置します。ボックスには、“Break the glass in case she said no”(彼女に相手にされなかったのなら、このグラスを叩き割れ!そしてAXEを吹きかけて再アタックしよう!)と書かれています。
ナンパに失敗して、肩を落として用を足している男性に的を絞ったコミュニケーションだと思われます。加えて、これから気になる女性にアタックをかけようとしている男性に対しても、力強いメッセージを発信していますね。
8.おしっこでギターを奏でるプロモーション
[国名:ブラジル/ブランド名:Billboard Magazine]
米国で最も権威のある音楽雑誌「Billboard Magazine」がブラジルで展開したアンビリーバボーなプロモーション。その名も“Guitar Pee”
サンパウロの人気バー「Bar Aurora」の男性用トイレの小便器に、ギターの弦を取り付けた特注の男性用小便器を設置することで、トイレを利用する男性達におしっこでギターを演奏してもらおうという企画。ちなみに各人がおしっこで奏でた音色はモバイル専用のWebサイト(guitarpee.com)で視聴できるようになっています。
9.LGの“モニタの美しさ”を訴求する、男子トイレで行われたおバカな実験
[国名:UK/企業名:LG]
大手家電メーカー・LGによる、新発売した“横縦比21:9サイズ-ウルトラワイドIPSモニター”の『画質の素晴らしさ』を訴求するためのアンビエントプロモーション。
男性がトイレで用を足していると、目の前に据え付けられている広告モニタに突然悩ましげな表情をしたセクシーな美女が現れます。今回の実験は、そんな突然登場した“セクシー美女に見つめられながら用を足すことができるか”を調査するという企画。
実験の結果、広告モニタが物凄く高精細で、“美女がまるで実物のように見える”ということもあり、多大なプレッシャーで思うように用を足すことができない男性が続出。通常用を足す場合に比べて平均16秒長く時間がかかり、加えて26%は用を足すことができなかったそうです。この実験の模様をおさめた動画は670万回以上再生されています。
10.ルーマニア警察の飲酒運転防止施策 「まっすぐできますか?」
[国名:ルーマニア/団体名:Romanian Police]
ルーマニア警察による飲酒運転防止キャンペーン。男性用トイレの小便器に、道路のイメージと「まっすぐ走れますか?」と書かれたステッカーを設置。
このステッカーに向かって「真っすぐ用を足せないほど、少しでも飲んで酔ってたら運転したらダメですよ」と表現しています。
11.公共トイレのシンボルマークに細工を施す
[国名:カナダ/ブランド名:Xdress.com]
“女性の衣類を身に着けたがる男性”向けのオンラインショップXdress.comが、ターゲットからの認知増とサイトへの訪問者増を狙って実施したユニークな広告。
公共トイレの男性用マークの上に簡単に取り外せる印象的な1枚のピースを取り付けました。このピースにはXdress.comのサイトのURLが記載されていました。
12.確実に記憶に残るティッシュの広告
[国名:ブラジル/ブランド名:Kleenex]
ティッシュブランド・Kleenexがブラジルで実施したアンビエント広告。「風邪の鼻水にはやっぱりクリネックスのティッシュ!」というメッセージを訴求するために制作されたクリエイティブです。
メディアに選んだのはトイレの石鹸ディスペンサー。上のようなステッカーをショッピングモールや公共施設のトイレに設置しました。石鹸を手にとると、まるで風邪をひいた人から鼻水が出たように見える仕組みです。ちょっと気持ち悪く見えますが、確実に印象には残るアンビエント広告でした。
13.MINI、女性ドライバーに“ながら運転”の危険性を訴えるドッキリエアバッグ
[国名:メキシコ/ブランド名:MINI]
メキシコでは女性の交通事故の大きな原因の一つに「化粧をしながらの運転」があげられます。コンパクトカーブランド・MINIはこのような状況を打破すべく、ターゲットとなる女性へ「メイクアップにはメイクアップに然るべき時間と場所がある」ということを訴求するための啓発キャンペーンを実施しました。
化粧室の鏡の前でメイクをする女性たち。彼女たちが熱心にメイクをしていると、突如ソープディスペンサーから“特性エアバッグ”が飛び出します。エアバッグには「全てのものごとには、然るべき時間と場所があります。そう、化粧にも運転にも」と明示されていました。
女性たちはこの意外な場所から飛び出たエアバッグに驚きながらも、興味津々にメッセージを確認していたといいます。“事故はいつでも突発的に起こる”という事実をユニークな手法で訴求する企画。このプロモーションの結果、70万ドル相当のフリーパブリシティを獲得し、わずか1週間で数千件のバズがネット上で生まれたといいます。
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