沖縄史上初の挑戦でスポーツと日常を融合 ショッピングセンター内で“プロ公式戦”を実施

沖縄のショッピングセンター「サンエー浦添西海岸パルコシティ」で2025年8月30日(土)・31日(日)の2日間、プロ卓球チーム「琉球アスティーダ」が日本の卓球リーグ「Tリーグ」の公式戦を開催。これは県内の商業施設として史上初の取り組みであり、スポーツ観戦の常識を覆す事例となりそうです。

スポーツ観戦を「日常の空間」に

従来、スポーツ観戦といえばスタジアムやアリーナに足を運ぶことが前提でした。しかし今回の試みは、買い物客や家族連れが集まる商業施設を舞台とすることで、スポーツとの新しい接点を創出しています。買い物カートのすぐ隣で世界レベルのラリーが繰り広げられる光景は、偶然訪れた人びとにも驚きと感動を与えるでしょう。

「人びとの日常にスポーツが飛び込んでいく」という理念を体現するこの取り組みは、卓球に馴染みの薄い層への認知拡大に直結しそうです。


吉村和弘選手

デジタルサイネージを活用

舞台となる2階センタープラザには、透過型大型LEDビジョンが常設されています。試合当日はこのビジョンにライブ映像を映し、館内全29拠点のサイネージも活用してイベントを演出。数日前からの事前告知によって来館者の期待感を高め、熱気をさらに盛り上げます。

単なる試合開催にとどまらず、ショッピングセンター全体を「一体感のあるスタジアム」に変えるマーケティング設計を実施しました。


※沖縄アリーナで開催した「アスティーダフェスティバル2022-2023」の様子

ショッピングセンター内で行われる今回の公式戦では、3階をはじめとした上からの観戦、コート周りの空きスペースからの観戦が無料となっています。スポーツ観戦のハードルを下げ、偶然居合わせた人も気軽にプロのプレーを体験できる環境を整えました。サッカーや野球に比べ知名度が限定的なTリーグにとって、サポーター層の裾野を広げる絶好の機会となるでしょう。

地域とスポーツを結ぶ新しい文化発信

琉球アスティーダは地域に根差した総合型スポーツクラブとして、中小企業のマーケティング支援や地域活性化にも力を入れてきました。今回の取り組みは、その延長線上にある「スポーツと地域社会の融合」の象徴的な事例といえます。

子どもたちに夢を与え、県民に非日常の体験を届け、商業施設に新しい活気を生み出す──。沖縄から新たな観戦文化を発信しようとする挑戦は、スポーツエンターテインメントの可能性を広げてくれそうです。


ホーム開幕戦の様子

同時に、地域の活性化や新しいファン層の獲得にもつながり、スポーツビジネスにおける新しいモデルケースになる可能性も秘めています。沖縄から生まれたこの挑戦が、スポーツと街の関係を再定義する未来のスタンダードとなるかもしれません。

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