体験価値をテクノロジーで実践するチームラボの施策12事例まとめ

最新のテクノロジーを活用したシステムやデジタルコンテンツの開発を行うチームラボ。プログラマー、エンジニア、数学者、建築家、絵師、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、編集者など、さまざまな分野の専門家から構成され、生み出されるコンテンツは海外でも高い評価を得ています。

今回は、そんな体験価値をテクノロジーで喚起し、広告から集客効果までも期待できるチームラボの近年の活動を12事例まとめてお届けします。

1. チームラボ、京都に「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」を2025年10月にオープン

チームラボは、京都市が進める京都駅東南部エリアプロジェクトの一環として、京都市南区に常設のアートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」を、2025年10月にオープン予定です。また、チケットは8月より、公式ウェブサイトにて販売開始しています。

新たな作品や日本未公開作品も多数加わり、多くの作品が順次発表される予定となっています。以下は、その一例です。

2021年の4月25日(日)から5月31日(月)まで無観客開催した「祈り」展のためにつくった作品「The Eternal Universe of Words」。無限のごとく広がる空間に永遠に書が書かれ続け、書のそれぞれの位置からその字の音が響き、それらが連なった朗唱が響き続けるものです。

「呼応するランプの森:One Stroke – Fire」は、お台場のチームラボボーダレスに2018年から2022年まで展示されていたもの。ランプがランダムに配置されたかのように見えるこの作品は、鑑賞者と他者の関係性に影響を受けながら、連続していく光の作品であり、連続していることそのものの美しさを表現した作品となっています。

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2. チームラボ ボタニカルガーデン 大阪、環境や人々の影響を受けて変容する作品《風と共に踊る柱群》を今年も公開、音色を響かせる作品《光色の草原 – カピラリス》の作品エリアが拡張

大阪市の長居植物園に常設している、チームラボによる夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」で、環境や人々の影響を受けて変容する作品《風と共に踊る柱群》を2025年7月25日(金) から公開。

《風と共に踊る柱群》は、風や雨、湿度など環境の影響を強く受けて変容する作品です。また、柱群は来場者にもインタラクティブに反応しながら、風と共に動き続けます。構造とは流れの中に生まれるもので、流れは混沌からの秩序を生み出すという概念を模索した作品です。

また、《光色の草原 – カピラリス》の作品エリアが拡張されました。カピラリスの光は、人々が近くで立ち止まると、さらに強く輝き、音色を響かせます。そして、その光は、周辺のカピラリスへ伝播し、音色を響かせながら、連続していきます。

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3. 御船山楽園(九州・武雄温泉)で、アート展「チームラボ かみさまがすまう森」が開催11年目を迎える

チームラボによる、御船山楽園(九州・武雄温泉)の夜の森のミュージアム「チームラボ かみさまがすまう森」が、11年目を迎える今年も開催します。会期は、2025年7月18日(金)から11月3日(月)までとなっています。また、新たな作品《廃墟の湯屋の連続する存在》も公開となりました。

御船山楽園は、300万年続く自然に囲まれた、50万平米にも及ぶ敷地に創られた大庭園。毎年夏から秋にかけてだけ見られる本展は、自然が自然のままアートになる広大な展覧会です。

本展は、チームラボが2015年からライフワークとして活動を続けてきた展覧会で、この地で多くの新しい作品が模索され、制作され続けています。2021年には、CNN「行くべき世界の屋外アート展」に、2017年にはデザインブーム誌「アートインスタレーション TOP 10」世界1位に選ばれました。

さらに、御船山楽園での活動は、チームラボによるアートとサウナをかけ合わせた体験の原点でもあります。「チームラボ かみさまがすまう森」は、通常のアート展に加え、サウナシュランで3年連続グランプリを受賞し、殿堂入りした「御船山楽園ホテル らかんの湯」ともコラボレーション。サウナに入ってからアートを体験するセットチケットも販売されています。

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4. チームラボ、山口・下関にて「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地」を開催

チームラボは、山口・下関市のボートレース下関にて、「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地」を開催。共創のための教育的なプロジェクト「学ぶ!未来の遊園地」から、《世界とつながったお絵かき水族館》、《すべって育てる!フルーツ畑》、《光のボールでオーケストラ》、《こびとが住まうテーブル》、《まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり》を展示しました。

会期は、2025年7月25日(金)から8月17日(日)までとなり、ボートレース下関では、2018年以来2度目の開催となりました。

この展覧会は、ボートレース下関による、”次世代を担う子どもたちにスポーツや芸術の持つ楽しさ、面白さを味わってもらうためのプロジェクト”の一環として開催されたものです。

「学ぶ!未来の遊園地」は、共同的な創造性、共創をコンセプトにした教育的なプロジェクト。他者とともに自由に世界を創造することを楽しむ「遊園地」です。人々が、他者と共に自ら何かを創ることによって、一つの作品ができていきます。そして、人々が新たに創り続けることによって作品世界は延々と変わっていくという特徴があります。

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5. チームラボ、北海道・札幌 宮の森にオープンする美術館「J Art Foundation」にて、《教会跡に増殖する無量の生命》をから展示

チームラボは、北海道・札幌市 宮の森にオープンした美術館「J Art Foundation」(旧札幌宮の森美術館)に、《教会跡に増殖する無量の生命》を、2025年5月2日(金)より展示しています。

北海道最初の現代美術館として、2006年4月に開館した「札幌宮の森美術館」が、諸設備の改修を図るためのおよそ7年の休館を経て「J Art Foundation」と名前を変え、2025年5月2日(金)に一部オープンしたもの。

作品世界は、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化しているため、レンズやパースペクティブによる平面化とは違い、鑑賞者は視点が固定されず、身体が自由で動的になっています。そして、作品世界が映し出された壁は、人々我々と作品との境界面にならず、花は壁の境界面を曖昧にし、作品世界は、人々の身体のある空間と連続するのも特徴的です。

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6. チームラボ、アブダビ文化観光局と協力し17,000平方メートルの巨大アート空間開設

チームラボ株式会社はアブダビ文化観光局およびMiral社と共同で、2025年4月18日(金)にアブダビのサディヤット文化地区に総床面積17,000平方メートルの巨大アート空間「teamLab Phenomena Abu Dhabi」(チームラボ フェノメナ アブダビ)をオープンしました。

本プロジェクトはチームラボが提唱する「環境現象」をテーマに、自然とアート、テクノロジーが交差する新たな体験を提供するものです。

「teamLab Phenomena Abu Dhabi」では、環境が生み出す現象を作品として展示することで、訪れる人々が環境と一体化した体験を得られるよう設計。作品は物質ではなく環境が現象を生み、その現象が作品の存在そのものであるという独自のコンセプトを基にしています。

例えば展示作品《Levitation Void》では、空中に静止する存在が環境のエネルギーの秩序によって成り立っており、《質量のない太陽と闇の太陽》では、物質的な境界を超えた光と闇の球体が認識世界に出現するという現象が体験可能です。

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7. チームラボの光のアートに包まれる入浴体験、日帰り温泉サービス開始

茨城県北茨城市でグランピング事業を展開する株式会社創輝は、チームラボの光のアートと自然が融合した温泉施設「五浦 幽谷隠田跡温泉」にて、日帰り温泉サービスを開始しました。

こちらのサービスは、チームラボ「夜の森のミュージアム」展示会チケットとセットで入浴券を販売し、幻想的なアート体験と源泉かけ流し温泉を一度に楽しめるものです。日帰り温泉は2025年2月18日(火)より利用を開始しています。

五浦 幽谷隠田跡温泉は、茨城県北茨城市の豊かな自然に囲まれたロケーションと、チームラボによる光のアートの融合による非日常体験を提供するグランピング施設として、2024年9月30日(月)に開業しました。

開業以来、多くの方に利用され、とくに源泉かけ流し温泉は宿泊者の方から高い評価を受けているといいます。これまで宿泊者限定で温泉入浴を提供していましたが、「日帰りでも楽しみたい」という多数のリクエストを受けて、日帰り温泉サービスを開始することに。

棚田跡と一体の源泉掛け流しの露天風呂は、水着で入る男女共通の温泉です。隠田跡にランプが浮かぶチームラボの作品と一体となりながら湯に浸かることができるほか、スマートフォンなどを持ち込んで写真撮影も可能となっています。

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8. 魚を描いて自然保全! auフィナンシャルサービス、アートで自然保全を支援

auフィナンシャルサービス株式会社は、2024年6月24日(月)から2024年9月23日(月)まで、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス内で「Support for Mori-Umi」を開催しました。デジタルアートと自然環境保全を組み合わせたユニークな試みである本プロジェクトは、サステナブルな活動に興味のある多くの人々の関心を引きつけています。

プロジェクトの中心にあるのは《スケッチオーシャン》という体験型アート作品。本作品では、来場者が描いた魚の絵がその場でデジタル化され、展示されます。さらに、描かれた魚の枚数に応じて、寄付金が気仙沼市舞根湾の環境保全活動を支援するNPO法人「森は海の恋人」に贈られます。この寄付金は、植樹活動や里山の維持管理など、舞根湾の自然環境を守るための具体的な活動に使われるとのこと。

同社は2021年から「森は海の恋人」の活動を支援しており、今回のプロジェクトもその一環。デジタルアートという現代的な表現方法を用いることで、若年層への積極的なアプローチとなり、彼らの環境意識を高める効果が期待されています。

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9. チームラボ、大阪製罐のカンカン工場の敷地の一部を壊し、空き地の草むらのような草原に

大阪製罐は、製缶工場のとなりに「カンカン工場の草原のカフェ」と「チームラボ:風と雨と太陽の草原」を、2024年10月5日(土)にオープンしました。

こちらではチームラボが提唱するコンセプト「環境現象」をテーマに、日常的にありふれた風や雨、太陽などの自然環境が生み出す現象によって、作品群が創られています。

プレスリリースでは「カンカン工場の敷地の一部を壊して空き地の草むらのような草原にし、風は戻り、雨は広がり、太陽が増えました。風が強く吹く時、風は空高くに舞う輝く作品を創り出し、雨が闇に降る時、雨は浮遊する無数の光の結晶となり、太陽が高く昇る時、太陽は虹色に強く輝く全円を生み出します」とのこと。

「チームラボ:風と雨と太陽の草原」は、「カンカン工場の草原のカフェ」を利用される方のみ体験できるものとなっています。

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10. 福岡県のゆめタウン博多に、指で線を描いてタッチするとインタラクティブに世界が変化する《こびとが住まうキャンバス》を常設展示

チームラボは、福岡県のゆめタウン博多に、指で線を描いてタッチするとインタラクティブに世界が変化する《こびとが住まうキャンバス》を、2024年10月5日(土)より常設展示しています。

これは遊びの中で、他者と関わり、共に創り上げる作品。《こびとが住まうキャンバス》の中には、こびとが住んでいます。キャンバスの中に指で線を描いて、こびとやシャボン玉などにタッチするとインタラクティブに世界が変化していきます。

チームラオによればこの作品は「自由なクリエイティビティーを高める「共創(共に創る)の場」で、遊びを通して、他者と関わり、キャンバスの中の世界を創造していきます。そこに、ゲームをクリアするような明確なゴールはありません。ゴールすらも自分たちでみつけ、遊び方を自分たちで創造しながら、そこに居る人たちが共に創り上げています」というものです。

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11. 宮城県気仙沼市舞根湾の生き物について学び、体験が寄附に繋がる社員家族向けイベントを実施

auフィナンシャルサービスは、2024年8月3日(土)に、社員家族イベントを実施しました。今回のイベントは、社員とその家族が、当社が取り組むSDGs活動についての理解を深めてもらうことを目的に、NPO法人「森は海の恋人」によるオンライン講義の受講と、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下、チームラボボーダレス)内の作品体験を通じて寄附活動を行うというもの。

イベントは2部で構成され、auフィナンシャルサービスのオフィスで行われた第1部では、会社紹介の後、NPO法人「森は海の恋人」の副理事長・畠山 信氏による宮城県気仙沼市舞根湾に生息する生き物についてのオンライン講義を実施。第2部では、チームラボボーダレス内《スケッチオーシャン》で開催中のプロジェクト「Support for Mori-Umi」に参加し、さまざまな魚の絵をスケッチすることで、宮城県気仙沼市舞根湾を拠点とする「森は海の恋人」への寄附を行いました。

今回、参加した社員とその家族40名は本イベントを通じて、楽しみながら海の豊かさや大切さを学び、自然環境保全に関する活動への理解を深める貴重な機会となりました。

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12. チームラボ、無人受付システム「FaceTouch」に、社内のコミュニケーションを活性化する新機能、「社員一覧機能」「お知らせ機能」を追加

FaceTouchは、名前からではなく、写真から担当者を探すことができる無人受付システムです。企業やオフィスへの来訪者は、タッチパネルを操作して、顔写真から担当者を選択して呼び出します。呼び出しは担当者に直接送られ、応答は専用応答アプリ「FaceTouchアプリ」で簡単に行うことができます。

チームラボは、無人受付システム《FaceTouch(フェイスタッチ)》に社内のコミュニケーションを活性化する新機能、「社員一覧機能」と「お知らせ機能」を2024年8月に追加しました。

追加されたのはFaceTouchに登録されている社員自身が、社内でどんな人が働いているのかを見ることができる「社員一覧機能」と、他の社員のプロフィールが更新されると通知される「お知らせ機能」。

これらの機能によって、社員同士がお互いの個性や人柄、出身地や趣味などの共通点などを知るきっかけとなり、社内のコミュニケーションの活発化につなげます。チーム力を高め、課題解決のスピードを向上し、新しいアイデアが生まれやすくなる効果や、相談しやすい環境作りとなることをはじめ、社員の定着率を向上する効果が期待されます。

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チームラボの近年の活動を12事例まとめ

いかがだったでしょうか。商業施設だけでなく、地方自治体との取り組み、またデジタルコンテンツと自然との融合を実現するものなど、実にさまざまな事例が揃いました。

体験価値が求められる現代において、どのような工夫で実現が可能となるのか、これから広告PR施策を立案する上でも参考になりそうなアイデアと芸術性を感じられます。

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