アップサイクル仏具と多肉植物の組み合わせがクセになる?過去の名品が生き残る道とは
富山県高岡市で1945年から仏具屋を営む株式会社ハシモト清(セイ)が展開する、仏具のアップサイクルブランド「#SilenceLAB(サイレンスラボ)」は、高岡市内にて「ハシモト卓尚(たかひさ)展〜仏具屋が植物沼にハマったら〜」を開催します。
この作品展では、アガベクリエイターでもあるハシモト清代表の橋本がプロデュースする、廃棄となるはずだったデットストックの香炉に、現代の技巧をかけ合わせて植物の器にアップサイクルした「わびさびポット®︎」と、多肉植物をコーディネートした作品を展示・販売します。
未公開の新作の展示をはじめ、会場限定商品の販売をするほか、地元の和菓子屋 中尾清月堂とのオリジナル和菓子「The Taste of WABI-SABI/ふくさ餅」を期間限定で販売します。
#SilenceLABは、江戸時代から日本有数の仏具の街として知られる富山県高岡市で3代続く仏具屋ハシモト清が、仏具の新たな可能性に挑戦するアップサイクルブランドです。2020年に高岡銅器のデッドストックが、会社の倉庫から大量に発見されたことから始まりました。
わびさびポット(R)としてアップサイクルされる仏具は、江戸時代から続く高岡の鋳造技術により1950年〜1990年に製作されたものが使用されています。当時、日本は高度経済成長期を迎え、仏具の市場は現在の約3倍以上の規模がありました(※1)。それらの素材は真鍮やブロンズ(銅)などが多く、職人の技巧を凝らした華やかな仏具が大量に製造された時代でもありました。そんな仏壇に使われる花瓶、燭台、香炉など、当時製作された仏具に水抜き用の穴を開け、現在の職人の技により研磨や着色を加えています。
かつての職人たちの想いと技術から生まれた唯一無二の「手仕事」を目の当たりにし、倉庫の奥に眠っていた古い香炉を原材料として溶かしてしまうのではなく、もう一度マーケットに戻す方法を模索するなかで誕生したブランドです。#SilenceLAB は、仏具に刻まれた歴史的な技術や日本的美意識を、現在の技術や価値観によりアップデートし、仏具の新しい価値創出を目指しています。
核家族化や住宅事情の変化もあり、仏壇を置く家は減少の一途ですが、コンパクトな仏壇やスタイリッシュな仏壇に変化しながら流通するものがあるいっぽうで、古き良き時代に職人が手がけた仏具は、名品とされながら需要がないばかりに溶かされて原材料に戻るという現実。そこへ、植物との組み合わせをすることで、もう一度商品として市場へ戻そうという取り組みですが、もとは名品な仏具だけあって日本的な美が感じられ、新たな魅力を発揮しています。
わびさびポット®︎の器の素材は真鍮や銅合金、着色は漆の焼付が多いので、植物の成長を楽しみながら、器の経年変化も楽しめるというのも素敵です。仏具の産地である高岡から生まれたアップサイクルの新提案は、国内だけでなく海外からも注目を集めそうな施策となっています。
・※1出典元:高岡特産産業のうごき 令和2年度版(富山県高山市)
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