トルコ・シリア大地震:多くの学校が避難所に~ユニセフ、安全な水など緊急支援【プレスリリース】 プレスリリース

 

 

【2023年2月7日 アレッポ(シリア)/ジュネーブ発】

トルコ南部とシリア北部の国境地域で発生した大地震に関して、ユニセフ(国連児童基金)シリア事務所代表のアンジェラ・カーニーが首都アレッポよりリモートで報告を行いました。下記はその概要です。

  • 「長引く紛争の被害を受けている建物が、余震のたびに、あちこちで崩れている。
  • 多くの人々が学校に避難しており、避難場所となっている学校は、6日時点では7校だけだったが、7日朝までに72校、7日午後には計127校にのぼっている。
  • 支援を必要としている人の数が、時間を追うごとに増えている。
  • 被害状況の確認を進めながら、今日までに、各避難所に計40万リットルの飲料水を給水車で届けるなど、支援も開始している。

また、ユニセフのジェームズ・エルダー広報官が、スイス・ジュネーブで7日に行われた国連定例記者会見において、被災した子どもたちと家族の状況や、ユニセフの緊急活動の進捗について報告しました。以下はその概要です。
 

アレッポ近郊のAl Masharqa地区で、地震の被害から逃れた避難民や地域の人たちが倒壊した建物から、生存者の救助活動を行っている。(シリア、2023年2月7日撮影) © UNICEF_UN0779025_Sanadikiアレッポ近郊のAl Masharqa地区で、地震の被害から逃れた避難民や地域の人たちが倒壊した建物から、生存者の救助活動を行っている。(シリア、2023年2月7日撮影) © UNICEF_UN0779025_Sanadiki

トルコ・シリア国境地域で発生した今回の地震は、過去100年近くでもっとも規模が大きく、弱い立場にある子どもたちや家族は危機に直面しています。何千もの家屋が倒壊したため、人々は自宅からの避難を余儀なくされ、厳しい天候にさらされています。この時期、現地では気温が氷点下まで下がり、雪や氷雨が降ることも日常的です。

夜間は氷点下にまで下がる厳しい気候の中、シリアの北西部で暮らす国内避難民や、トルコの非正規居住地で生活するシリア難民の家族は、もっとも厳しい状況に置かれている人々です。シリア北西部では、長期にわたって続いているコレラの流行と、大雨や雪といった厳しい天候に、避難民の家族がさらされています。こうした状況と10年以上も続く紛争に加え、今回の地震は耐え難いほどの苦難です。

また、この地震によって数多くの学校、病院、その他の医療・教育施設が損壊し、子どもたちに非常に大きな影響を与えていることは明らかです。

ユニセフは、被災地域での支援活動を開始し、切実に必要とされる支援物資をすでに届けており、被災地域の子どもたちや家族を安全な場所に避難させています。以下は分野別の支援活動の一例です。

  • 水と衛生分野:シリアでは、被災した子どもたちと家族が安全な飲み水と衛生設備にアクセスできるようにすることに当面の焦点を当てています。災害発生時の初期は特に、感染症がまん延しやすい環境に子どもたちや家族が置かれてしまうため、水と衛生の支援は病気を予防するために重要です。
  • 子どもの保護分野:家族と離ればなれになった子どもや同伴者のいない子どもを特定・保護し、家族と再会できるように支援をし、子どもたちに応急の心のケアを提供しています。
  • 教育分野:トルコ全土とシリアの一部の学校は、現時点で、来週まで閉鎖されており、多くの学校は、被災した子どもたちや避難した家族の一時的な避難場所となっています。安全が確認され次第、学校を再開して子どもたちが教室に戻れるようにすることが、混乱の中でも子どもたちに日常と安心を与えるために重要です。
  • 緊急支援物資:シリアのダマスカスに備蓄している医療物資やトラウマ対応キットが不足しているため、隣国レバノンとヨルダンの最寄りの倉庫から輸送し、医療品を含むすべての支援物資の当面の不足分を確保しようと努めています。すでに手術に用いる緊急医療物資と、高エネルギービスケットなどの栄養補給食品を、シリア国内へ輸送しています。
  • 保健・栄養支援:シリア国内で避難している人々は、食料や基本的な栄養支援を必要としています。2歳未満の子どもたちと妊婦が必要とする栄養を提供することが、彼らの栄養状態のさらなる悪化を防ぐために非常に重要です。ユニセフは、他の国連機関やパートナーと連携し、その地域全域から栄養補助食品を集め、移動支援チームを通じて、保健・栄養支援を届けています。

 

アレッポ近郊のSalah Eddinにある避難所となった学校に避難する子どもたち。(シリア、2023年2月7日撮影) © UNICEF_UN0778540_anonymousアレッポ近郊のSalah Eddinにある避難所となった学校に避難する子どもたち。(シリア、2023年2月7日撮影) © UNICEF_UN0778540_anonymous

またトルコでは現在、生存者の捜索と救助に重点が置かれており、ユニセフはトルコ政府および首相府防災・危機管理庁と、より広範な人道支援活動に関連して発生する支援ニーズについて調整を進めているところです。ユニセフの支援物資には、衛生キット、毛布、冬物衣服などが含まれる予定です。

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ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トルコ・シリア国境で発生した地震の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/disaster/2010.htm

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「自然災害」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について 
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

配信元: PR TIMES
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