縁起物ではなくあえて不吉な黒猫をフィーチャーしたオランダ・宝くじの動画広告
日本では、ダルマや七福神など縁起がよいものを多く使う宝くじの広告ですが、オランダの年末に行う宝くじ、Dutch State Lottery(Staatsloterij)が公開したのは、あえて不吉の象徴である黒猫を使用したもの。
高齢の男性主人公が保護猫を引き取りに施設に向かうも、唯一残っていた黒猫・Frummelと対面するシーンで映像は幕を開けます。見るからに不吉そうな黒猫に不安を覚えながらも、あまりの可愛らしさにFrummelを引き取ることを決意します。
その帰り道、車を運転している主人公の横でFrummelが「にゃー」鳴くたびに赤信号が青信号に変わったり、見知らぬ傘が風で飛ばされてきたかと思えば突然雨が降り出したりと幸運な現象が続きます。
アパートの隣部屋に引っ越してきたばかりのカップルとの挨拶を終え、無事家に着くことができた男性はFrummelを新聞紙の上に置きますが、そこには「宝くじ販売中」の文字が。これは何かの啓示かもしれない、と男性は思い立ったかのように宝くじ売り場へと向かいます。
Frummelとともに宝くじ売り場へと向かう主人公。売店でくじを1枚渡されたその瞬間、またFrummelが「にゃー」と一言。このくじはもしかして……と視聴者も含め期待をするなか、先ほど挨拶を交わしたカップルがやってきます。そして、どうやらそのカップルの女性は妊娠しているよう。
すこし考えたあとに、カップルに宝くじを譲る主人公。「Believe in Luck(訳:運を信じよう)」のコピーとともに動画は終わります。
結局宝くじが当たったかどうかは分かりませんでしたが、自分のためではなく他人のために「おそらく訪れるであろう幸運」を譲ることを選んだ主人公。ホリデーシーズンらしい心温まるストーリーの動画でした。
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