嘘と真実を見極める大切さを訴える『フェイクニューススタンド』
Case: Fake Newsstand
11月6日に行われる、アメリカ中間選挙。トランプ大統領が就任してからの実績や評価が問われるこの選挙に先駆け、ジャーナリスト向けの雑誌・Columbia Journalism Review(CJR)が“正しい情報を見極めることの大切さ”を訴えかけるキャンペーンを実施しました。
マンハッタンのタイムズスクエアから少し離れた場所にあるニューススタンド。
ここには様々な種類の新聞や雑誌が並んでいますが、各誌の1面で報道されているのは『トランプ大統領、アメリカはカナダに独立を許すべきではなかったと主張』『幼児が殴り合いの喧嘩』『水道水に鎮痛剤の成分が混入』など、あまりにもセンセーショナルな見出しばかり。
それもそのはず、これらの記事は全てフェイクニュースなのです。もちろん新聞・雑誌も実在する物ではなく、全て嘘。
今回CJRがこのような施策を行ったのは、2つの重要な事柄について、人々に気づいてもらうため。
ひとつは、ソーシャルメディアがこれほどまでに広がった今、虚偽の情報をあたかも事実かのように見せるのは決して難しくはないこと。真偽不明なニュースが多く飛び交えばそれは瞬く間に世界へと広がり、世論に影響を与えかねません。
そして2つ目は、自分が信じたくない内容だからといって、フェイクニュースだと思い込んでしまってはいけないということ。
インターネットの検索サイトやSNSは各ユーザーの検索履歴などを解析し、その人が見たいであろう情報を表示しています。すると自分の観点に合わない情報は自動的に遮断されてしまい、公平な視点から物事を見られなくなってしまうのです。
CJRによると、アメリカの成人のうち、フェイクと事実を区別できているのはわずか3割ほどなのだとか。中間選挙を控えた今こそ、嘘と真実をきちんと見極めることが大切なのだと訴えかけたキャンペーンでした。
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