【カンヌライオンズの歩き方】いまさら聞けない?今年の新設部門とは

カンヌライオンズ2016のオフィシャルメディアパートナーである「SENSORS」より転載。今年のカンヌの見どころ、新設カテゴリー、アワードなどについて紹介していく。

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世界最大級の広告祭、カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(カンヌライオンズ)2016。今年は、6月18日~25日の8日間にわたって開催。

昨年からの大きな違いとして、新設部門そして新設アワードが多く見られること。特徴としてはデータ、テクノロジーそしてコンテンツ内容に焦点を当てた部門が多くなっている。

その中でも知っておくべき新設部門はデジタル・クラフト・ライオンズ(The Digital Craft Lions) 。昨年までのサイバー・ライオンズ、そしてモバイル・ライオンズのデジタル・クラフト周りのカテゴリーは新設部門に吸収され、クリエイティブのアイディアよりはデジタルキャンペーンとしての実施及びにユーザーエクスペリエンスに評価軸を置いている。AR/VRコンテンツのUIデザインやタイポグラフィーデザインなどもこの新設部門に含まれている。

Source: Cannes Lions International Festival of Creativity
では、実際にどのようなカテゴリーがデジタル・クラフト・ライオンズに含まれているのだろうか?Form (イメージ、サウンド、美学)、Function (デザイン、構造、体験)、コンテンツ、データ(データビジュアリゼーション、データキュレーション)そしてテクノロジーの5つになる。

カンヌライオンズ事務局からの今回の新設部門について、”テクノロジーの進化によって現在莫大な消費者データを収集することが可能となった。そしてテクノロジーの進化はクリエイティブ全般、デジタルデザインやUXに大きな影響を与えている。パソコンからモバイル、そしてVRと現在のデジタルデザインはユーザーオリエンテッドによってリードされている。また、デジタルプロダクトにおいてもパフォーマンスや機能と同様にいかにカッコよく見えて、気持ち良い体験ができるかが鍵となっている。デジタル・クラフト・ライオンズはデジタルクリエイティブのスキルとアートのオムニ・チャンネル部門になるでしょう。”とコメントを発表している。

我々として嬉しいニュースとしてはこの新設デジタル・クラフト部門は、日本人審査員としてPARTYの清水幹太氏が参加することも挙げられるだろう。

Source: Cannes Lions International Festival of Creativity
もうひとつの大きなニュースとしては1992年に設立されたプレス・ライオンズ(The Press Lions)がプリント&パブリッシング・ライオンズ(The Pring&Publishing Lions)として生まれ変わる。背景としてデジタル時代における業界の進化に合わせた部門になり、インタラクティブ・ポスターやデジタルとのベストユーズなどを評価内容としている。

あわせて、昨年までのブランテッド・コンテンツ&エンターテイメント・ライオンズ(Branded Content & Entertainment Lions)はカンヌライオンズから”独立”したライオンズとしてエンターテイメント・ライオンズとして新設される。新設アワードについては次回につづく。

ライター:中村寛子

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