かっぴーの広告代理店の人にシェアされたいコラムvol.2「広告マン、バズ頼みになりすぎ問題」


アドギャングをご覧の皆さま、こんにちは〜!
漫画家のかっぴーです。
想定より2%だけ反響が良かったので、晴れて第2弾となりました!

はじめましての方に35文字だけ自己紹介させて頂くと、広告代理店のクリエイティブ出身で、先日脱サラして漫画家になった者です。宜しくお願いします!
ネット連載で、SNSを題材にした漫画「SNSポリス」広告代理店クリエイターと天才芸術家の物語「左ききのエレン」や、週刊SPA!でインターネット広告会社ギャグ漫画「バズマン」など広告周りの漫画も描いてます!良かったら読んでください!

広告マン、すぐ“KPI”って言う問題

広告代理店の人って、すぐKPIって言うじゃないですか。
「このプロジェクトのKPIは」とか、
「KPIからすると成功と言えます」とか、
「小腹が空いたから、ちょっとKPIする?」とか…

最後のだけ「軽く プロント イン」の略ですけど、主に「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」ってヤツですね。

かく言うぼくも、プランナー時代から多用してたし、今の広告漫画でだってKPIは一応伺います。
でも、最近ネット広告に関して言うと「KPIって意味あるのかな?」って考える様になりました。
どういう事かと言うと、ぼくの広告漫画も起用しようと思ってくださる大きな理由の一つに「バズってる」があると思うんですね。

“バズってる記事に広告をつける” これって本当に効果あるんでしょうか?
ちょっと乱暴な言い方に聞こえるかも知れませんが「バズ=KPI」って、つまりはそういう事ですよね。ここから脱しないと、「月9にCMを流せば万事OK」って時代から進歩無いと思いませんか?

いや、TVCMは桁が違うので効果あると思いますよ。届き“漏らす”ロスがでかくても、ありあまる露出があるから成立する、まさにマスコミュニケーションです。

でも「視聴率が高い所に、広告を打つ」って発想では、ネット記事広告では効果が上がらない。それが通用するなら、バナー出稿するのと大差が無い。ネット記事広告は、マスコミュニケーションほどの「届き漏れ」があったら成立しないんです。そう考えると「バズ=KPI」じゃなくて、「届いた=KPI」が正しいと思いませんか。

ここで「バズったって事が、届いたって事なんじゃないの?」って思うインテリメガネの方が居ると思いますが「バズっても届いていない」という事が結構起きてるって話をします。

バズっても広告・宣伝として機能していないケース その1 <非モテ美女現象>

正式名称があるか定かじゃないので、勝手に名前を付けちゃいますが…記事から直接シェアする「直シェア」、ツイッターで投稿をRTした場合や、フェイスブックで投稿をシェアした場合などの間接的なシェア「間接シェア」っていう2種類のシェアがありますよね。

ここで言う「間接シェア」って、本当にみんな読んでるんですかね??
ぼく自身も心当たりがあるんですけど、タイムラインに出てくる記事のタイトルや画像で満足しちゃって「後で読むか」と思いつつ、シェアしっぱなしで読まずに終わる事がよくあります。
そういう事、結構ありませんか?

そして、バズを狙った記事であるほど、記事のタイトルや画像がインパクトが強く設定されている事が多いので「未読の間接シェア」の割合が増える気がする。こればっかりは肌感ですけど。

すっごい美人なんだけど、逆に絡みづらくて案外モテない…みたいな「非モテ美女現象」がバズを狙った記事で起きている様に思います。KPIをバズだけに設定していると、数字上シェアが伸びている様に見えれば本当に広まっているかまで議論されずに終わってしまいます。

あと、数字上バズった所で広告として意味があったのかな?って思うケースが幾つかあります。
代表的な2つを例に挙げますね。

バズっても広告・宣伝として機能していないケース その2 <透明マーケティング>

広告記事で、広告っぽさを極力無くそうとするのって正しいんでしょうか?
そりゃね、広告だと分かるや否や「ステマだ!」とか騒ぎ出すお祭り野郎がいますからね、分かりますよ。でも、じゃあ広告っぽさを極力減らせば良いんですかね?ぼくは違うと思ってます。

「いやー、バズったね!すごいシェアされたね!そんで、上手く広告だってバレなかったねー!」って。

…これってえ?って感じですよね。ダメでしょ、バレなきゃ。広告だって。だって広告だもん。気付かれない、記憶に残らない宣伝って、もうステルスどころじゃない「透明マーケティング」

バズっても広告・宣伝として機能していないケース その3 <KY宣言宣伝>

一方、PRという事を逆手にとってギャグにしちゃうケース。
「と…突然の商品解説…!!??これってPRやーん!!!」みたいに自分で言っちゃうケースですね。「バカじゃん」と言われる前に「バッカでぇ〜す」って言っちゃうタイプ。

これは先の「透明マーケティング」よりはマシだと思いますけど、このギャグが成立するのって「取って付けた感が面白いでしょ」ってヤツなんで、結局記事とPRが乖離してるんですよね。
「KY宣言宣伝」です。

蕎麦頼んだらスプーン出てきたくらい乖離してる。乖離してるから面白いんだけど、喜んで受け取ってはもらえない。煙草に缶コーヒーを付けた相思相愛セットを売ってる誰かの商才を見習って欲しい。あれ、なんかガムか歯ブラシも付けてください。あのセット、口めっちゃ臭くなる。

幾つかご紹介した事例から「バズ=届いた」「バズ=広告として機能した」では必ずしも無いと思ってます。

もちろん「シェア数」とか「PV数」が、「視聴率」みたいに分かりやすい指標だから定着しているのは承知の上ですが、「本サイトへの流入数」とか数値化できるKPIは他にもたくさんあると思います。それこそ、プロモーションの目的によってKPIは変わって然るべきなので。

数値化し辛い指標で言うと、ぼくは「コメント付きの投稿」が一番届いた実感があります。
「この広告見て、商品買っちゃった」って類の投稿が多い時は、大きくバズってなくても成功だと思ってます。まぁ、一切バズらなかったら、こういう投稿も無いんですけどね。

だから「広める」と「届ける」2つの機能が備わった記事広告が最強だと思います。「バズなんて意味無い!」なんて極論を言うつもりは無いですけど「届いたか」の指標をどこかに置かないと偏りが激しい施策になっちゃうんじゃないかなって。

この「広める」と「届ける」の両方を達成するためには、深い企業理解が必要です。
だから、クライアントの皆さんも、広告代理店の皆さんも、記事広告を依頼してくださる際に「好きにやってくださーい!」って言わないでね!
一緒に「広める」と「届ける」がある広告をつくりましょう!

…という事で、ネットの広告案件はご用命下さい!【PR】

文:かっぴー
1985年生まれ。大手広告代理店のクリエイティブ職を経て面白法人カヤックに転職し、気付いたら漫画家になっていた人。SNSあるあるギャグ漫画「SNSポリス」をはじめ「おしゃ家ソムリエ!おしゃ子」など連載多数。広告代理店を舞台にした初の長編連載「左ききのエレン」連載中。ツイッターやってます!

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