Facebookの「タグ付け」機能を活用し、アルツハイマー病を疑似体験させる啓発企画
Case: The Alzheimer’s Event
アルツハイマー病の最も重要な症状である「記憶障害」。
誰にでもある“物忘れ”と大きく異なるのは、『忘れてしまった』という自覚がないことです。
例えば『出かけた先で顔見知りに会ったけれど、その人の名前が思い出せない』というのは物忘れ、一方『出かけたこと自体、覚えていない』というような場合は認知症の症状だと言えるそうです。
そんなアルツハイマー病の症状を多くの人に実際に体験してもらおうと、オランダのアルツハイマー協会は、フェイスブックの「タグ付け機能」を活用した啓発キャンペーンを行いました。
キャンペーンではまず「フード・フェスティバル」や「映画祭」など、よくありそうな“架空のイベント”を企画。その内容や様子を収めた写真を用意します。
そして別の写真から人物だけを切り抜いてイベントの写真にはめ込み、色味などを修正すれば、一見しただけでは合成とは思えない、リアルなイベント写真が出来上がります。
こうして作り上げた写真をフェイスブックに投稿し、実際には参加していない人(イベント自体開催されていないので、当たり前ですね)を、“イベント参加者”としてタグ付けしたのです。
人物をタグ付けした投稿は、タグ付けされた人のタイムラインにも追加されます。つまりタグ付けされた人にとっては、『自分はイベントに参加し、写真にも映っているのに、それを全く覚えていない』という状態になります。
これこそが、アルツハイマー病の患者が苦しむ症状なのです。
投稿された写真の脇には、アルツハイマー協会から「戸惑いましたか?アルツハイマー病になるというのは、こういうことなのです。」とコメントがあり、タグ付けされたユーザーは、これによってキャンペーンの主旨を知る、というわけです。
また、協会のHPからは、自分のフェイスブック上の友達の写真をアップロードし、その友人にも同じように“アルツハイマー病の疑似体験”をしてもらうことが可能となっています。
結果たくさんの写真が架空のイベントにタグ付けされ、このキャンペーンは多くの人に認知されることとなりました。
フェイスブックを用いたプロモーションは数多くありますが、タグ付け機能に特化した事例は珍しく、着眼点が素晴らしいと思いました。
動画はコチラ
ALZHEIMER NEDERLAND – The Alzheimer’s Event [casefilm] 2:00″ from N=5 on Vimeo.
参考サイト
Ads Of The World
http://adsoftheworld.com/media/online/alzheimer_nederland_the_alzheimers_event
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