Gap日本上陸30周年──ブランドDNAを再構築するカルチャー戦略

米アパレルブランド、Gapが日本上陸30周年を迎えた2025年。その周年プロジェクトは、カルチャーとの結びつきを再編集する取り組みを進めているようです。

新宿フラッグス店(東京都新宿区)と心斎橋店(大阪府大阪市)で2025年10月31日(金)から行われている「ALWAYS ON」は、その象徴的な施策です。ヴィンテージ商品として、古着マーケットでその価値が見直されていることを見逃さず、商品ラインアップに反映させました。

この取り組みでは、ヴィンテージコレクターとして名高いSean Wotherspoonさんを同社のグローバル・ヴィンテージキュレーターに任命。90年代初頭のレザージャケットや2000年代のロゴフーディーなど、ブランドの歴史を象徴するアイテムをラインナップしました。ALWAYS ONは、シーズナルテーマに沿って定期的にリフレッシュしていくといいます。

さらに、音楽カルチャーとの共鳴を周年施策の大きな柱としています。5月には、スチャダラパーを起用してインタビューコンテンツを公開。Gap日本上陸と同年にリリースされた楽曲「サマージャム’95」とのリンクを強調しました。


また、日本1号店を開業した9月には、同年にユニットを結成したPUFFYを起用。そのインタビューでは日本上陸前のGapをめぐるイメージを語っています。

@gap_jpGap Japan 30周年記念ムービーに、2007年のグローバルキャンペーンにも起用されたPUFFYが登場! ユニット結成当時の思い出やアメリカでのキャンペーン撮影秘話など、2人のストーリーと限定オリジナルスウェットの着こなしに注目!

♬ original sound – Gap Japan

ホリデーシーズンには、2025年春に期間限定で活動を再開したRIP SLYMEを起用したキャンペーンを開始。インディーズデビューアルバム『Lip’s Rhyme』の発売とGap開業が同じ1995年だとして、それぞれ所縁のあるミュージシャンをともに周年を祝いました。

ファッションと音楽カルチャーをクロスオーバーさせることで、ブランドDNAを再構築するこれらの取り組み。米アパレルブランド、Gapが日本上陸30周年を迎えた2025年、ファッションの枠を超え、カルチャーとの結びつきを再編集する取り組みを進めています。周年をきっかけに展開されたプロジェクトは、アーカイブ価値の再発信と音楽カルチャーとのクロスオーバーを軸に構成されました。

90年代にストリートキッズを「CMにLucious Jacksonが、Missy Eliotが出てる!」と興奮させたGap。その存在をリマインドさせるだけでなく、歴史を重ねてきたファッションブランドとして、あらためてカルチャーリンクによるストーリー性を強化していることは間違いありません。アメリカンカルチャーのひとつとして、日本に“輸入”されたブランド像を振り返りながらあらためて印象づけました。

その他のブランディング事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=27
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る