売れ筋を事前予測可能! 話題作りにもなる総選挙9の事例|2025年版
多くの中から推しを選ぶ総選挙イベントは、その活況ぶりにさまざまな業界も施策に取り込んできた人気コンテンツ。その勢いは一時ほどではないものの、広告・宣伝の手法としては鉄板とも言える人気を誇るのが、「総選挙」キャンペーンです。
今回は、そんな話題作りはもちろんのこと、使いようによっては商品の展開戦略を事前に予測できるとあって、常に人気の手法となっている施策の王道事例を2025年最新版に絞って9事例まとめてお届けします。
1. 人気声優がクッキーになって演説?! ステラおばさんの「カムバックッキー総選挙」とは
アメリカンカントリー焼き菓子専門店「ステラおばさんのクッキー」を展開する株式会社アントステラは、お客様の投票により選ばれたクッキーを復活販売する投票企画「カムバックッキー総選挙」を、2025年1月8日(水)から1月31日(金)までの期間で開催しました。
「カムバックッキー総選挙」では、過去に発売された18種のクッキーから、投票結果の上位6種が全国の店舗で再販売されます。「ミルクシュガー」や「アーモンド」といった定番の味から、「スイカ」や「トマト」「柚子」などのめずらしい味まで、さまざまなクッキーがラインナップされ、ワクワク感が伝わる施策となっています。
総選挙では、候補となるクッキーをキャラクター化して紹介。素朴で少し気弱な性格の「アーモンド」や、紳士のような「チョコレートストリート」など、候補のクッキーを擬人化し、味の特徴をキャラクターの性格や見た目で表現することで、投票者も味のイメージが膨らみ、楽しみながら投票企画に参加できる仕掛けとなっています。
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2. 3兄弟がチーズ語で公約発表?! ドミノ・ピザが人気キャラ投票キャンペーン開催
株式会社ドミノ・ピザ ジャパンが展開する宅配ピザチェーン ドミノ・ピザは、2025年1月14日(火)から3月2日(日)までの期間限定で、3種のチーズを使用した贅沢な生地が楽しめる「チーズ33兄弟」シリーズ全5種を販売。その発売に合わせ、オリジナルキャラクターである「チーズ3兄弟」の中で誰が一番人気かを決めるキャンペーン「チーズ3兄弟人気No.1選挙」を、2025年1月29日(水)から2月11日(火・祝)まで開しました。
期間限定商品「チーズ3兄弟」シリーズは、ウルトラクリスピーの生地を3層に重ね、その間にモッツァレラチーズ、カマンベールチーズソース、チェダーチーズソースを挟んだ生地を使用した商品。寒さの厳しい冬に、お腹と心に”ぬくもり”を届ける商品となっています。
シリーズのキャラクターである、長男「チェダー」、次男「カマンベール」、三男「モッツァレラ」のチーズ3兄弟は、とろりとした質感が表現されているキュートなキャラクターで、SNSでも「可愛い!」「商品グッズ化希望!」と話題となっています。
今回の投票キャンペーンでは、ドミノ・ピザ公式Xから、3兄弟のうち好きなキャラクターに投票でき、投票の中から抽選で1,400名にお持ち帰り限定「チーズ3兄弟アメリカン」Sサイズの無料クーポンが配布されました。
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3.「第1回ネオバタ総選挙」4月1日スタート! 公約を掲げる推しパンたちに注目集まる
フジパン株式会社は、当社の人気商品ネオシリーズを対象とした、「第1回ネオバタ総選挙」を2025年4月1日(火)から4月30日(水)まで開催。
同時スタートする総選挙限定のテレビCMの放映や、フジパン公式Xアカウントや各種SNS(TikTok、Instagram)“ネオバタくん公式アカウント”とも連動し、店頭やパッケージによる横断的なプロモーションを展開しました。
今回の「ネオバタ総選挙」は、“ネオバタくん”をはじめとする全8種類のシリーズキャラクターが、それぞれの公約を掲げて立候補するというユニークな選挙企画。お気に入りのキャラクターを選んで、ネオバタくん特設サイトで投票してもらい、その結果を競う仕組みです。
投票が簡単に行えるだけでなく、期間終了後には最終結果発表とあわせて、さらに上位人気キャラがどのように公約を形にしていくのか、ネオバタくん特設サイトで続報を追える点も大きな見どころとなっています。
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4. 自分がアイスに? お気に入りフレーバーも進化! サーティーワン#推しフレーバー総選挙開催
B‐R サーティワン アイスクリーム株式会社は、2025年3月31日(月)から4月27日(日)まで、「サーティワン #推しフレーバー総選挙2025」を開催しました。
総選挙には、定番19種、期間限定41種の全60種の人気フレーバーがエントリー。「キャラメルリボン」「ストロベリーチーズケーキ」といった、同社の開店当初から店頭に並んでいる歴史あるフレーバーから、期間限定ながらも熱狂的なファンを持つ「ダイキュリーアイス」や「マジカルミントナイト」といったフレーバーも登場し、お気に入りのフレーバーを探しながら、商品についても理解を深められそうです。
期間限定フレーバーのうち、投票数の多かった上位4つは、2026年1月より3ヶ月ごとに復刻販売。さらに、総合1位となったフレーバーは、さらに開発を加え、パワーアップした新作フレーバーとして発売されます。人気投票キャンペーンの中でも改良フレーバーが開発されるのは珍しく、投票期間終了後も長期的な話題性が期待されます。
投票を行う特設サイトでは、発売された年代や、「チョコ沼」「かわいさ命」といった推しテイスト、推しカラーからフレーバーを検索することができます。これまでにない手法でフレーバーを選ぶ体験を通して、新たなフレーバーと出会うきっかけを作り、消費者の来店促進にも繋がりそうです。
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5. ファン投票で全国販売の座を競う! ビアードパパ“ご当地シュークリーム”総選挙
店内でシューを焼き上げ、注文を受けてからクリームを詰める実演販売方式のシュークリームチェーン店「ビアードパパ」。作り立ての美味しさへのこだわりに加えて、趣向をこらした期間限定メニューが毎月登場する楽しさも人気の理由です。
そんなビアードパパが、全国発売するシュークリームをファン投票で選ぶ「ビアードパパご当地シューファン投票」を実施しました(2025年5月31日まで)。
候補となるシュークリームはこれまでに限定メニューとして登場した全8種類。全国で発売した期間ないし店舗限定商品から選ばれていますが、JR仙台駅店限定の「ずんだシュー」はご当地シュークリームとして現在も販売されているようです。
投票は、特設サイトと、X公式アカウント(@beard_papa)を連携させて実施。サイトで食べたいシュークリームを選び、投票するとXの投稿画面に遷移。そこには投票完了を報告する旨の投稿テキストなどが自動でセットされています。サイトでの投票とXへの投稿を終えると、1票を投じたことになるようです。
5月12日(月)から31日(土)までの期間中、Xのアカウントにつき、1日1回、最大20回の投票が可能。6月5日(木)に結果を発表し、2026年1月に全国販売される予定です。
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6.「下着選び」が未来を変える?! 選挙ポスター風に魅力を伝える「ブラ総選挙」とは
下着の開発・販売を行う株式会社HEAVEN Japanは、公式Xや自社サイトでWEB投票企画「第4回 HEAVEN Japan ブラ総選挙」を2025年5月16日(金)から5月21日(水)までの期間で実施し、投票結果を発表しました。12タイプの立候補ブラから栄えある1位に輝いたブランドは、2025年度 HEAVEN Japan秋冬カタログの表紙を飾ります。
同社は経験豊富なパタンナーの知見が詰まった、一人ひとりの心と体に寄り添う「適正下着®」を展開しています。今回の投票企画は、“下着選びでバストの未来が変わる”というコンセプトを選挙に見立てて伝える、ユーモア溢れる企画です。
総選挙では、候補となる12タイプの商品が、選挙ポスター風のビジュアルで登場します。まるで選挙候補者のようなシンプルな写真に加え、「メリハリ党」「脇肉保守党」「グラマーを応援する会」といった商品の特徴が表現された所属政党名も記載されるなど、こだわりが感じられます。
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7. 16種類のフルーツコーヒーが新登場! UCC「ひみつのドリップ」と「食べチョク」がコラボ
UCC上島珈琲株式会社は、#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」を2025年7月11日(金)から8月3日(日)までの期間、Rand表参道にて開催。株式会社ビビッドガーデンが運営する産直通販サイト「食べチョク」と協業した「フルーツコーヒー」を新メニューとして提供しました。
#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」は、同ブランドが提供する、バリスタがいないながら本格的なアイスコーヒーのおいしさを体験できる期間限定アイスコーヒー専門店。イベントを通して、同社が独自開発したプロ級ハンドドリップの抽出メカニズムを搭載し、自宅でも美味しいコーヒーが楽しめるカプセル式ドリップコーヒーシステム「ドリップポッド」の魅力を体験することができます。
豊富なラインナップから普段は味わえないコーヒーにも出会うことができるイベントとして話題となり、2023年、2024年の過去開催では延べ1万1,000人以上が来店、開店前から行列ができる人気のイベントとなりました。
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8.「おベん党」に「甘党」!? まるで参院選なデパートの「食品選挙」とは
株式会社阪急阪神百貨店が、2025年7月2日(水)から17日(木)までの期間に「阪神梅田本店 食品選挙2025」を開催しました。
同企画は、2025年7月20日(日)に実施された参議院議員通常選挙をイメージしたイベント。食品売り場のカテゴリーを政党にたとえ、顧客が応援したい党に投票することでナンバーワンを決定します。
党代表の写真を掲載した選挙ポスターを公開。それぞれ「おべん党(惣菜売り場)」「国民飲酒党(和洋酒売り場)」「おやつ天国甘党(おやつ売り場)」「洋菓子を愛する会(洋菓子売り場)」などとユーモアたっぷりの仕上がりで、マニフェストを発表しています。
さらに、各政党の代表による政見放送をYouTubeで公開。選挙公報スタイルで、各売り場の紹介やおすすめの商品を詳しく伝えます。
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9. 推しはどっち? 音と触感の対決がPR企画に進化した「プチパチの日」
2025年8月8日(金)アトリオン製菓と川上産業が「プチパチの日」と題した共同プロモーションを展開。「パチパチパニックの日」と「プチプチの日」が重なるこの日を記念し、それぞれの人気商品が「どっちが気持ちいい?」をテーマに異業種対決を仕掛けています。
独自の製法でキャンディの中に炭酸ガスを閉じ込めた「パチパチパニック」は、トリオン製菓を代表する看板商品です。一方、川上産業の代表商品である気泡が千鳥状に並んだシート状の緩衝材「プチプチ®」は、梱包や輸送の現場で長年にわたり活躍してきました。そして、現在はつぶす専用のプチプチ「プッチンスカット」も展開しています。
今回のコラボは、こうしたロングセラー同士が互いの“感覚価値”を掛け合わせることで、消費者の「自分にとっての心地よさ」を見つける体験を提供しています。
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話題作りにもなる総選挙9の事例まとめ
単純に総選挙という人気投票での販売促進の盛り上げだけでなく、それぞれの商品の特徴や魅力をここぞとばかりに発信する強力なPR施策としてもわかりやすいもの。さまざまな商品やサービスにおいて、手を替え品を替え、施策のフックとして活用されるのもうなずける仕掛けと言えそうです。
総選挙というキーワード一つで、老若男女問わず施策の内容が入ってきやすい親しみやすさも人気の理由なのかもしれません。SNSを使った投票から、リアルな購買による投票など、入り口は同じでも出口にはそれぞれの工夫も感じられます、今後も人気の施策アイデアとして、さまざまな進化を遂げていくことでしょう。
その他の事例集についてはこちら
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