アイデアが光るシネアド事例6選 大画面と音響でメッセージを訴求
映画館で映画上映前に流れる企業CM、「シネアド」。映画館という空間の特性上、ほかに流入する情報がほとんどなく、大画面で上映されるCMは広告に集中してもらいやすく、視覚と聴覚を活用して高い効果があるとされています。
さらに、劇場や作品ごとに上映を設定できるため、ある程度の視聴層を予測しやすく、届けたいターゲット層に確実に訴求できる媒体となっています。今回は、そんなシネアドをアイデア活用した6事例をまとめてお届けします。
1. 規格外バナナの想いを音と映像で表現。ドール「もったいないバナナSTORY」公開
株式会社ドール(以下、Dole)は、2025年4月23日(水)より、規格外バナナを主人公としたショートムービー「もったいないバナナSTORY」を公開しました。
本作は、同社が2021年から展開している「もったいないバナナプロジェクト」の一環として制作された映像作品で、食品ロスの問題に対する社会的な関心を高めると同時に、Doleのブランド価値を高める施策としても注目されています。
「もったいないバナナSTORY」は、セリフやナレーションを用いず、映像とBGMのみで構成された約4分間のショートムービー。舞台はフィリピン・ダバオにあるDoleの実際のバナナ農園。そこで生まれたバナナのきょうだいたちの中で、1本だけ見た目が異なるために離れ離れとなってしまう「もったいないバナナ」の旅が描かれています。
監督を務めたのは、話題のドラマ「サンクチュアリ-聖域-」や映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」などで知られる江口カン氏。映像制作はKOO-KIが担当し、登場人物には俳優を起用せず、現地のバナナ職人が出演しています。
Doleの公式サイトやSNSで公開されるだけでなく、全国のスーパーマーケットのバナナ売り場に設置されている電子サイネージでも放映予定。さらに、2025年5月2日(金)から2025年5月15日(木)まで、新宿バルト9にてシネアド(シネマ広告)としても上映されmasi。
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2. ispace、月面への再挑戦、ミッション2打ち上げに向けてプロモーション 「日本を、失敗できない国にしない。」
株式会社ispaceは、最速2025年1月中旬に打ち上げを予定しているMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON(以下、ミッション2=2025年6月6日、月面着陸失敗)の日本国内での認知向上を目的とした国内向けプロモーション「日本を、失敗できない国にしない。」を実施しました。
「日本を、失敗できない国にしない。」は、2025年1月4日(土)から1月中旬までの期間に、TVer、Youtubeのほかに、都内11箇所の映画館でのシネアド他、オウンドメディア、ソーシャルメディアでの配信展開がされました。
2023年4月、ispaceは民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦しましたが、惜しくも成功には至りませんでした。今回のプロモーションには、一度の失敗で終わりにしてはいけない、次の失敗を恐れ挑戦することをあきらめないで欲しい、という思いが込められたものです。
ミッション1で失敗を経験し、悔しい思いをしたispaceだからこそ、失敗を許容し、学び、もう一度挑戦することの大切さを、ミッション2の月面への再挑戦を通じて多くの方々に伝えたいとしています。
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3. 聖地巡礼や体験目的のインバウンドへ、台湾の映画館でのシネアド上映で訪日外国人を誘致
株式会社シネブリッジは、台湾最大手シネコンチェーン「VIE SHOW CINEMAS」でのインバウンド広告(シネアド)セールスを2024年3月より開始しました。このセールス開始に先立ち、星野リゾート協力のもと、「星野リゾート ネコマ マウンテン」のブランディングCMを台北市内の「VIE SHOW CINEMAS」3劇場にてシネアドとして上映。
これはコロナ禍以降、日本への渡航が急回復している台湾で、観光誘致を目的として上映したもの。展開はおもに台湾国内でも人気の高い日本のアニメ映画などの上映前に設定されました。上映素材は日本らしさを演出するため、日本語のテロップを用いた素材にし、繁体字幕付けで制作しています。
旅行の計画を立てる訪日前のタイミングに日本の情報を提供できるだけでなく、日本へ訪れたいと思っている見込み客に向けて訴求できるインバウンド広告として、今後は、すでに台湾から多く訪れる日本の主要都市だけでなく、まだ台湾国内であまり知られていない日本の地方自治体や観光スポットへの集客に向けたセールスを行っていくとしています。
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4.『秘密結社 鷹の爪』の吉田くんが夜の街をカーチェイス&浜辺でプロポーズ!? 迫真の演技で日比谷しまね館をPR!
株式会社ディー・エル・イーは、保有するコンテンツ『秘密結社 鷹の爪』の主人公である「吉田くん」を起用して、島根県の特産品を扱うアンテナショップ「日比谷しまね館」をPRする映像を制作、2024年12月16日(月)より12月29日(日)までの期間、「TOHOシネマズ 日比谷」の幕間でシネマアドとして放映しました。
映像内では、吉田くんが島根の特産品である「のどぐろ」を狙う追手から車で逃げたり、宍道湖のしじみでプロポーズしたりなど、映画館での上映にふさわしい迫力満点なシーンが盛り込まれています。
「日比谷しまね館」は日比谷シャンテの地下1階にあり、「TOHOシネマズ 日比谷」で映画を見た人がそのまま買い物に足を運べるようになっています。当日の映画の鑑賞チケットを「日比谷しまね館」で提示すると、2,000円以上のお買い上げで合計金額が5%オフになるサービスも実施されました。
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5. 横浜流星さんを起用した日鉄興和不動産CMシリーズ最新作 「LIVIO owner’s emotion」
日鉄興和不動産株式会社は、俳優の横浜流星さんを主人公にした新CMシリーズ「LIVIO owner’s emotion(リビオ オーナーズ・エモーション)」篇を2024年12月28日(土)より放映しました。TVCMでの放映のほか、映画館プロモーション(シネアド)でも展開されました。
CMで描かれるのは、マンション購入後、新居で暮らし始めて間もない頃の「うれしい気持ち」です。横浜流星さんが演じる3つのエピソードは、実際のリビオオーナーの声をもとに作られています。
「0日目の感動をずっと。」では、新居で暮らし始めて間もない頃のうれしさを末長くサポートしていきたいという、日鉄興和不動産・リビオの思いを表現。
「このフィルムの主人公は、あなたです。」は、お客さまの声をもとにしたストーリー。この映像を通じて、お客さま視点でより豊かなマンション、不動産サービスを提供していきたいという、日鉄興和不動産すべての事業に共通する思いが込められています。
マンションは人生の中でとても大きな買い物であり、人生をデザインする大切な買い物。日鉄興和不動産の「LIVIO(リビオ)」は、お客さまひとりひとりが人生を豊かにデザインしていただくために考え続けるマンションブランドとして、日々進化し続けたい。「Life Design! with LIVIO(人生をデザインしよう、リビオと。)」では、そんな思いが込められています。
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6.「DROAS」の極上シャンプーを “極上音” で再現 “5.1ch ASMR” シネアドを日本で初めて上映
株式会社シネブリッジは、全国30館の映画館を活用し、株式会社I-neが展開するクレイビューティーブランド「DROAS(ドロアス)」の “5.1ch ASMR CM” を2022年11月11日(金)から日本で初めて(※1)シネアドとして上映しました。ASMR(エー・エス・エム・アール)とは、「Autonomous Sensory Meridian Response」の略語で、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚を指すものです。
・※1:「”5.1ch ASMR” を日本で初めてシネアドとして上映」=株式会社シネブリッジ調べ
CMの企画と制作は、株式会社メディアデプトとNomad Tokyoが担当。また、株式会社シネブリッジがシネアド上映のシアターコーディネートを担当しています。
「脳までとろける泥のヘッドスパ」をテーマに、DROASが届ける極上のシャンプータイムを「5.1ch ASMRレコーディング」で撮影。シャンプーの泡立ち音やマッサージ音などの心地いい聴覚刺激から、DROASのさっぱりとした洗いあがりや冬の髪トラブルに対する泥成分の効果効能が表現されています。
撮影スタジオには、シャンプー台とその周りを囲むように複数のマイクを設置し、頭の隅々まで洗い上げるシャンプーの泡の音と、心地いいシャンプータイムに思わず漏れる吐息をリアル感たっぷりに収録。見終わったあとは、自分の頭もシャンプーしたくなるような追体験を得られる仕上がりとなっています。
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アイデアが光るシネアド事例6選まとめ
映画館という場所にあわせたアイデア施策がさまざまに揃いました。どの事例も映画館の特性を活かした内容で、ターゲット層に訴求する工夫にあふれています。
また、単なるシネアド放映だけでなく、映画館の設備や合わせ技のキャンペーンなど、組み合わせ施策の可能性はまだまだ広げられる余地がありそうです。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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