KADOKAWA、人気ボカロ曲を原作とした絵本『鉄の処女と夢見がちなお姫さま』を発売

株式会社KADOKAWAは、ボカロP・じょるじん氏の人気楽曲「鉄の処女と夢見がちなお姫さま」を原作とした絵本を2025年6月18日(水)に発売します。原曲はYouTubeで1,000万回以上再生されており、楽曲の世界観とストーリー性の高さから多くのファンを獲得してきました。

本書では、作詞・作曲を手がけたじょるじん氏が文章を執筆し、MVやアルバムのイラストを担当してきたあんりふれ氏が絵を担当。音楽と書籍、それぞれの魅力を生かしながら一つの物語として完成度の高い作品に仕上がっています。

モデルは「血の伯爵夫人」16世紀が舞台のダークファンタジー

物語の舞台は16世紀。チェイテ城に迎えられたお姫さま・エリザベートは、これから始まる新たな暮らしに胸を弾ませていました。しかし、夫に先立たれ、義母から激しい虐待を受ける日々が続きます。次第に心が壊れていったエリザは、義母の死をきっかけに血に目覚め、やがて恐ろしい殺戮器具を完成させていくことに……。

モデルとなったのは、吸血鬼伝説のもととされるエリザベート・バートリ。歴史的背景を下敷きにしながらも、フィクションとして再構築された物語は、残酷さと美しさが同居する幻想的な内容となっています。

本書籍は一般的な絵本とは異なり、大人向けに制作された作品。耽美な文章と濃密なビジュアルが重なり、アートブックのような読み応えを感じさせる仕上がりとなっています。

読後に楽曲を聴き返す構成で、物語が深まる

絵本として物語を楽しんだあと、原曲を聴き直すことで印象が変わる構成になっているのも本書の特徴。歌詞だけでは読み取れなかった心情や背景が文章と絵によって補完され、音楽の理解をより深めてくれます。

楽曲と書籍の行き来によって、作品への没入感を高めるこの仕組みは、複数のメディアを自由に行き来する現代の若い世代にマッチしそうです。

クリエイターが紡ぐ世界観の再現

「完全犯罪伝授します」や「ハッピーヒロインスナイパー」などの代表作で知られるじょるじん氏は、童話や神話をモチーフにダークな世界観を構築するボカロP。楽曲には一貫した物語性があり、その拡張としての絵本化は自然な流れでしょう。

イラストのあんりふれ氏は、強い色彩と大胆な構図で楽曲のイメージを表現。原作の世界観を壊すことなく、絵本としての完成度を引き上げています。

新ジャンル「ボカロ×絵本」の可能性

今回の絵本化は、ボカロ曲の新たな展開方法として注目される施策。これまで楽曲のメディアミックスといえば小説や漫画が主流でしたが、絵本という選択肢は珍しく、独自のアプローチといえます。

音楽、文章、ビジュアルを一体化させた本作は、既存のファンにとっても新鮮な体験となり、これまで楽曲に触れてこなかった層への導線にもなりそうな予感。『鉄の処女と夢見がちなお姫さま』は、今後の「音楽×書籍」ジャンルの火付け役になる可能性を秘めています。

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