“ハングリー精神のある”人材を募集する企業に、“飢餓”問題をダイレクトに啓発

Case: Hungry for Hunger

2030年までに飢餓の撲滅を目指す非営利組織・The Hunger Projectがスウェーデンで実施した啓発施策をご紹介。

「飢餓の・空腹の」という意味を指す“Hungry”という英単語には、「渇望している・野心に溢れている・ハングリー精神のある」といった意味もありますが、そんな複数の意味を持つ単語に着目して考案された取組みです。キャンペーンの名称はその名も「Hungry for Hunger」。

スウェーデンでは、企業のリクルーティングにおいて“モチベーション溢れる人材”を募集するために、求人情報に「Hungry(ハングリーな)」という表現を記載することが比較的一般的だといいます。

今回、求人広告に“そういった表記”を行っている企業に対して、世界における「Hungry(飢餓の)」の現状について知ってもらうべく、メールを送るという作戦です。

メールにはこのように記されています。

このメールは、御社が「ハングリー」な人材を求める求人広告を出しているためお送りしました。「ハングリー」な人に関心があるという共通点が、我々と御社にはあります。

合わせて「毎日815万人が飢餓の状態にあること」や、同団体が「女性に注力しつつ、男性も含めて飢餓の撲滅に向けて活動を行っている」旨などが説明されていました。

このDMは「ハングリー」という単語が使用された新たな求人が掲載されるたびに、自動的に本メールが送信される仕組みが整えられていたといいます。

本取り組みの結果、「ハングリー」という単語が使用される求人広告が1日あたり15件増える中で、同団体への新たなコンタクトは同数となる1日あたり15件増加したといいます。

複数の意味を持つ英単語に着想を得て、巧みにコミュニケーションに生かした斬新なダイレクト啓発施策でした。

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